メリークリスマス!
きみとおさる
第1話
初恋をした。
授業中、窓際を見るその目。
友達と、楽しそうに話しているその横顔。
テストの結果が返ってきて喜ぶその姿。
好き。
だけど、言えない。
告白って勇気がいるし。
それに、あの子との仲が良すぎる。
尾岸 莉那。
私の初恋の人と出席番号が隣で、
仲がいい。
わたしとも仲がいい友達。
クラスメイト誰とも仲が良くて、明るいムードメーカー。
出席番号が近いから班を編成するときも、
莉那はカレと同じ班になることが多い。
私は、出席番号がカレとは6つほど違うから同じ班になるのはくじくらいしか方法がない。
これを嫉妬って言うんだっけ。恋ってつらいんだな。
「嶋野さん、ここ分かる?教えて!」
上から急に彼の声が降ってきた。
そうだった。今は数学の授業中だった。
「あ、うん」
教えてほしいと頼まれたところを教えてあげると、満面の笑みでありがとうを言われた。
かわいいなぁ。
私の胸はキュンとときめく。
恋っていいな。
わからないところが分かった彼は、嬉しそうにノートを見ていた。
こっちまで嬉しくなってくるなぁ。
彼はノートを掴んで、嬉しそうなまま莉那のところに勉強を教えに行った。
私の笑顔が引きつってくるのを感じる。
うっ。我慢我慢。
今は12月。
もうすぐ彼の誕生日だったことを思い出して、
彼への誕生日プレゼントを考えることにした。
彼の好きな色は青って言ってたな。
青のシャーペンでいいかな?
流石にシャーペンは足りてるかな?
ついでにクリスマスプレゼントもどうしようかな。
キーンコーンカーンコーン
気がついたら数学が終わる時間になっていた。
彼も忙しそうに教科書を机にしまっている。
私も考えることがいっぱいだ。
机の中に教科書を入れて、また考えるのを再開した。
〜第2話に続く〜
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