第三話:知は其の知らざる所に止まれば至れり
※※ 03 ※※
突如、
「
「まさか、石清水臨時祭を終えたばかりですよ! よもや……」
よもや『
(女院が
将来を閉ざされ入内も結婚も見通しが立たなくなった
しかし今回の不予で、弟たちの
(この事態は、きっと左府にとって
殿舎の空気は完全に凍り付いていた。今起きた
「
「な、なにをッ――」
思わず言葉を発した
(本当に間が悪いわよね。母上は
「落ち着きなさい、
「皆様がた……どうもお騒がせしております。安芸守殿はせっかちでいけませんなァ、ともあれ
控え目で冷静な公達の声で、その場の出来事が多少
「あ、ええっと……この御仁は
貴公子の来訪に、
「……とにかく、お二方のお席を用意してちょうだい」
「母上の
「はい、姉上」
「あんたが母上の葬儀の喪主なんだから、しっかりおやりなさい」
「はいッ」
励ましの言葉に、すっかりと安堵した
「今日は皆、ご苦労様。下がっていいわ」
「はっ」
日は
やがて
「姉上、私をお呼びだとか」
「うん。とりあえず、これへ」
暗い中の
「これは失礼いたしました。
にこやかに告げる
「おお、そういえば
厳密にいうと
この場にいる当事者たちは、大きく頷く
「
「
鳥羽田中殿とは鳥羽の離宮――通称『城南離宮』と呼ばれる敷地内にある御殿のひとつである。
そもそも鳥羽の地は
同時に公卿たちの別荘が立ち並ぶ
その田中殿も含めた一大都市である鳥羽で話題になっているであろう
何をどう話すべきか、様々な人の立場を気にしながら
「一番悲しんでおられるのは、やはり関白・
そう言って、
「何故か急に左府が
「実際、
要は当てこすりだ。しかも
(いい機会だわ。少し
「知は
いい? それでも人は知らないことを知った時、それは知ってる人に対する
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