第一話 大怨を和すれば必ず余怨あり
久寿二年<1155>
「
「それは
わざとらしいほどに愛想よく返した
いつの間にか
凡そ出家した身が食す献立ではないが、
「何じゃ、
心底驚いている信西入道に、
「……はて、身どもにはさっぱりと」
「なんとッ!?」
「皇后・
なるほど、と心中で
「
受けて、信西入道は得意げな顔で
「それよ。皇后の御父上である
『女は
ちびちびと酒を飲みながら
信西入道が出家する前、
その信西入道がこの機に意趣返しも含めて頼長と再び
「悪評も色々あるようですが『
取るに足らない話題のように
「そうじゃ、
「そういえば……。鳥羽の法皇がまだ上皇でいらした時だったかしら。
信西入道の隣で酒を
「あの事件は色々と不可解な事件でしたわ。ろくに審議もなされずに
小大進殿が
さすがは天神様の流れを
相も変わらず笑みを
「と、いうのが世間での話じゃ。しかし儂の見立ては違う。そちは小大進を幽閉した
「どのような御仁でごさいまするか?」
信西入道の問いに、
「検非違使は
康和の御世に
しかしこの騒動はここでは終わらぬ。この首謀者が
そもそも奥州にて康平・永保の役で朝廷軍として戦った源氏を取り込もうとした摂関家に鳥羽の上皇が圧力を
そして今も坂東の不穏にかこつけて忠実卿も息子の左府も源氏を取り込んで私兵化しておる。
左府が引いた『孟子』の
信西入道が目を見開いた。それまで浮かべていた薄笑いを完全に消して、
「菅原が危機に
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