(二)-21
そう言いながら手慣れた手つきで顔を整えていく。
その手つきを見て、巨勢は「在原さんには見せているんだろ」と尋ねてみた。
「まあね。彼とも長いから。あ、でも最近は見せてないかな」
概ね完成した自らの顔を鏡でじっくり点検しながら、麻美はそう答えた。
そして、手鏡をバッグにしまおうとしたとき、麻美はバッグを足元に落としてしまった。
「やだ、ちょっともう」と声を上げて前屈みになりながら、麻美は足元で広げてしまったバッグとその中身を拾い上げた。そして座席の床に転がってしまった中身をバッグへ無造作に投げ込んでいった。
(続く)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます