(二)-13

 それに巨勢は先週末に彩夏と会ってから、心の中のもやもやが取れずにいて、いまいち仕事への集中力が欠けるところがあると自覚していた。だから、部長に呼ばれたとき、久しぶりのいい話で心の中のモヤモヤが半分以上吹き飛ばすことができた。

 いつも早足の巨勢はいつも以上に早足で不動産事業部が入るフロアの端の、部長室にノックして入った。

 巨勢は「お呼びでしょうか新井部長」と部長のデスクの前で気をつけの姿勢をした。

 すると、巨勢にとっては意外な言葉が返ってきた。


(続く)

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