第4話

力のこもった声だった。


「彼女を見て。何故あんなに泣いているのか。それは君が思ってるように口がないからじゃない。自分が悪いことをしたっていう罪を少しでもつぐないたいって思ってるからなんだ。彼女は不幸だよ。 悪口を言うことでしか心を満たすことができなかったのだから。

そして彼女の両親も、友達も、そんな彼女の心を理解することができなかった。見てわからないのか、彼女はさびしいんだ、そして さびしければさびしいほどくだらない、中味のないことを言った。 からまわりする心が次第に回転を早め、彼女自身を苦しめていったんだ。 僕は彼女の後にやってきて見えない目のことを嘆いたとき彼女はそっと僕の肩に手をかけて一緒に泣いてくれた。その時わかったんだ。彼女も僕も同じ心を持っていたことが….」


頭の大きな子どもは、この時ふと青白い顔の少年のことを考え、頭をもたげようとしたがうまく上がらず、その重みをとてもやっかいに思いながら彼を見た。


とても青かった。暗い闇の中でひときわ暗い濃い青。 表情ひとつ動いていない。子どもは はっとした。

一もしかしたら動かさないのではなく、思うように動かないのではー そしてまた考えた。 同じ心、おなじこころ、オナジココロ… 彼が暗闇の中で少年と会ったとき、確か同じ場所にいるということに 気づいたではないか。姿こそ違えー少年は青白く端正で 子どもは頭が大きく異様にやせているー心が全く同じだというのか。だけど僕の考えてることとあの男の子の考えてることが全く同じだということがあるの?


「君たちは似ているね」

盲目の少年が子どもの考えを一瞬さえぎった。


ー似てる?

「似ているだって!?」

子どもと少年は、同じことを一方は考え、もう一人が叫んだ。

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