第4話
ここ最近、快晴が続く、関東。埼玉県の空も、今日はまた一段と日が照っていた。
「あれ、猫ちゃん」
にゃーお
ベランダに猫がいた。
「可愛い。おかしほしいのかな?」
彼女はそのままベランダの窓戸を開けようとした。
「あ、でもうちのアパート、動物禁止なんだけど」
にゃーお
「…まぁちょっとぐらいならいいか」
彼女は、おいで、と続けて窓戸を開け、自分のところに猫を招いた。
「うわぁ可愛いな。もう飼っちゃおうかな」
彼女が猫の首元を指で揺らすと、猫は喉元をゴロゴロと鳴らして気持ちよさそうにしていた。
そのまま、彼女は、デスク横にあった袋をひょいっと取った。
「お兄ちゃんにもらった、猫の気持ち。安いやつだけどいいよね」
にゃあ
上機嫌そうな様子で、猫は、フードボウルによそられたそのお菓子を、カリカリと食べた。
猫と、世界と 夏場 @ito18
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