閑話 復讐はブーメランの如く

復讐はブーメランの如く 1ページ目

 悪の根源だった理事長と加地先生を追い出して、金坂学園に平和が訪れたの。これで、陰キャから卒業した私は、順風満帆な学園生活を送るはずだった。


 だけど、世の中そんなに甘くはないのよ。


 ツンデレを排除しようと魔の手がすぐ近くまで迫っていたのだから。


「理事職を追い出されるなんて、前園家の恥でしかありませんことよ?」


「す、すまぬ……。しかしな我が孫よ、ワシも頑張ったんだぞ?」


 豪邸の一室で元理事長と話すのは、長い銀髪がトレードマークの少女。


 この少女の名は前園深雪、元理事長の正真正銘の孫よ。性格は言うまでもなく極悪非道そのモノ。だって、あの奈乃さんが可愛く見えるくらいなんだからっ。


「お黙りなさい、この役立たず! ふぅ、まったく使えないわね、これなら燃えるゴミの方がマシなくらいよ。……仕方ありません、あたくし自らが理事の座に君臨するしかありませんね」


「し、しかし、あの校則がある限り理事になっても──」


「口を閉じてなさい、このゴミ虫が。そんなの、このあたくしが変えてあげますわ。まずはあの学園を買収するところから始めますか」


 悪役令嬢──深雪にはその言葉がよく似合うの。視線だけで周囲を極寒の地へ誘うと、さっそく金坂学園を買収しようと動き始めたのよ。

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