第12夜 どうか幸福になりますように
その夜も、満月だった。
淡く光る月が、雲の隙間から顔をのぞかせていた。
分厚い雲だが、昨晩ほどではなかった。
それでも、湿度が高いらしく。雨が降り出しそうな気配だった。
私はスラムの指定場所へときていた。
マスターは、後から来るといっていた。
どちらにせよ、始末するのは私だろうけれど。
彼がやりたいのなら、別に気にはしないけれど。
止める理由など――ない。
そのまま警戒しつつ、しばらく待つ。
今夜の仕事は終わったなら……
また、夜の仕事が始まるのだろうか。
私としては。暇をつぶせるのなら、構わないのだけれど。
昼は、何もない方がいいかもしれない。
散歩……とか。
またシアと買い物とか……できるかもしれない。
若干せわしないかとも思ったのだけど。
考えていたよりも悪くはなかった。似合うかどうかは、別として。
私は、自分の首から伸びるチェーンを見る。
繋がる先にはあのリング。……派手すぎなくて、いいと思う。
何かまた、おそろいのものなどもいいのかもしれない。
形に残るというのも、大事に思うようになってきたから。
いつか、マスターにも贈り物をしたいものだ。
色々と、目に見えないものをもらって来たのだから。
少し、ぼんやりとしてしまった。
誰か来ていないかと、辺りを見ると。
「……シア、ですか?」
夜の中、ぼんやりと見えたシルエット。
それは近づいてくると、小柄な少女の姿になった。
「こんばんわ、ルナちゃん。何してるんです、こんな場所で?」
「私は、仕事のようなものです」
あなたは? とたずねると。
「もしかしたら、迷っちゃったかもしれません」
それならば、何故手に武器をもっているのだろう。
護身用ならば、剥き出しでなくてもいいだろうに。
「夜は、物騒ですから。早く戻られたほうがよろしいかと」
「あれー。あたしだって用があるから、うろついてるんですよ」
探し人です。彼女はそういって、笑った。
「どのような?」
「ええとですね――銀髪の男の人です。たぶん、髪は……あれは長いのかなぁ。
あとあとですね、目は綺麗な青ですよっ」
まるで、氷を閉じ込めたみたいな色をしてるんです、と彼女が紡ぐ。
思考が一瞬止まってぐるりと廻る。油の切れた歯車のように。
私は、それに当てはまる人を知っているのだけれど。
いいや、彼女だって知っている。どうして、探す必要がある?
明日になれば会えるというのに。事務所にいけばいいというのに。
どうして、武器を持って探している……?
私が問いかけようとしたとき。
「ああ、ルナさん。ちょうどいいですね」
気がつくと、彼がやってきていた。いつものように、黒づくめの服装。
ベルトのホルスターには、整備したての拳銃が入っているのだろう。
「マスター……」
「アル様、こんばんは」」
「さぁ、面倒事は終わりにしましょう」
その終わりは、どういう意味なのか。どんな結末を意味するのか。
うっすらと、どこかで可能性はあっただろうに。
「邪魔者は、いつも通りに排除してくださいね」
彼にそう問われて。私はゆっくりと答える。
「彼女が……子鼠ですか」
はい、見ての通りにちょこちょこしているでしょうと、彼が笑う。
「ですが……」
「さあ、貴女はどうします? ルナ」
やつぎはやに、マスターにそう聞かれた。
「ルナちゃん? やらないんですか?」
そう首をかしげる彼女の手には。
いつの間にか鋭く歪んだ刃の得物。人ならば殺せるだろうもの。
「今夜、アル様を殺せとの命令なので。
命令する人がいる以上、やらなきゃあたしがばらされちゃいますからね」
何故、どちらも殺せという。
何故、どちらも壊せという。
私に、選べというのだろう。
「ルナさん、どうしました、止まって。情でも移りましたか?」
「……」
いつも素敵に仕事をこなしてくださるでしょう。
お膳立ては済んでいます、遅れも取らないでしょう。
さぁ、手早く片付けて事務所に戻りましょう。
夜の声音が、耳に響く。
返すが言葉が、見つからない。ただ望みを口に出せばいいのに。
ほかの方法も、見つからない。どうすればこの場をしのげる?
私の答えが……見つからない? とうにわかっているのに伝える勇気がでない。
「貴方がやらないのなら、私がやるだけですが」
彼は、そういって彼女へと銃を向ける。
「待って……ください」
「何か?」
「壊さないと、いけないのですか?」
「生かさないと、いけないのですか?」
どうして――? 吐息に乗せて彼が囁く。
邪魔をするならば、壊すのが私の仕事。依頼をこなすことが……でも。
「貴女は、私を裏切るんですか?」
彼にそういわれてしまうと、何もいえない。
あなたの邪魔をするつもりはない、敵対をする意志なぞない。
彼が安全装置を外していても。
足が、動かせない。
「それじゃあ、あたしは壊せませんよ?」
シアが、マスターにそういう。
「余裕ですね、シアさん……間違えました、裏切り者め」
その言葉をきいて、彼女の顔が歪む。悲しそうに、やり切れなさそうに。
見ているだけの私。本当にそれでいいの?
シアが、彼の近くへ飛び込もうとした刹那。
素早い銃声が響いて。重いものが崩れ落ちる音がした。
彼女の足が破壊されたようだ、でも……
まだ、完全には壊れてはいないのだとわかった。
「あれ? 足だけは、頑丈にできてるはずなのに」
そういって彼女は、私を少しみた。
「部品が足りないんですよ。気づきませんでした?」
「なっ、あれは戻しておいたのでは!?」
ちょびっとだけです、とマスターは笑う。口の端だけで。
「だから動きづらかったのか」
ぼそりと彼女が言う。納得したとでもいわんばかりに。
刃を振るおうとしない彼女に、近づいていく。
動けずとも、振るえば手が届く距離なのに。
まるで、そんな気がないかのように。
懐から取り出した携帯用の工具を使って。
白い指が、手慣れた手付きで外装をはいでいく。
晒されたのは、橙色の歯車。彼はそれに狙いを定める。
「今度は、特注の弾ですから。ちゃんと終わりますよ」
「そっか」
「何か言い残すことは?」
あたしは――と彼女は紡ぐ。
「こんな結末ですけど。お二人に会えたこと、後悔はしていませんから」
力強さに満ちた彼女の言葉も。彼の心を動かしはしないのだろう。
それは結構、と彼が答える。
でも。でも誰かが動かないといけない。
彼女が、私を見た……まっすぐに。
口が、動いていた。声はない。わす……れ?
『忘れないでね』
「では、お疲れ様でした」
認識したと、ほぼ同時に体が動いた。
◇
ためらいのない銃声が響いた。
歯車のすぐ横を掠めるようにして。
私は、掴んだ手を握りしめる。
「マスター! 聞いていただきたい事があります」
「弾がもったいないなぁ、それちゃったじゃないですか」
至近距離で、冷たい瞳を真っ直ぐ見つめる。
もう片方の手で、銃口を包み込むように塞ぐ。
動かないように、マスターの手ごと抑え込む。
先の一発が本当にそれかはわからないけれど、次はない。
抵抗は感じるが、私の力の方が強い。
今はそれよりも。やるべきことは一つ。
どうすれば、彼女をこれ以上壊さないで済むか。
マスターも、怪我をしないで済むか。
私が思いつくのは、一つだけ。
また、退屈で暇な日常に戻りたいから。掃除をして、たまに出かけたりして。
マスターに、メンテナンスをしてもらって。
だから、私は迷わず選ぶ。
「アリシア、彼女に命令した人を始末します」
ほぉ、と面白そうな顔をするマスター。
「拒否権なんて、あたしにはないですよ。スクラップにならなくて済むなら……
それに越したことはないですけど」
あんなのは、どうでもいいんです。そういって、彼女は、武器をしまった。
「あたしは、構いませんよ。でも、ルナはいいんですか?」
あなただって、命令違反でしょう?
橙色した瞳が、そんな言葉を宿しているように感じて。
わかっている。だから、これから――
説得を、と振り向きざまに何かが飛んでくる。
見覚えのある軌道を避けて、アリシアの方へと下がる。
「私は、あなたの命令に背くつもりはありません、マスター。
親鼠を始末するだけです、そうすれば、静かになります」
そうでしょうね、えぇそうでしょうねと、対峙する彼が。
「私はあなたに敵対するつもりもありません。提案しているだけです」
マスターの為に、最善を選ぼうとしているだけだと精一杯伝える。
始末の命令をください、と。
「スマートに事が済んで、邪魔なものだけが消えて、万々歳ですね」
ならば、銃をお下げください、マスター。
忌々しそうに舌打ちをしながらも、下ろす動作が掌を通して伝わった。
固く握りしめていた手を離す。
彼はその場を動くことなく、変わりましたね、と私に向けて。
「貴女がそんなにはっきりと、意思表示をするなんて。大変喜ばしい変化です。
私がずっと見たかったことに違いない。それでも――
古いひと欠片が、裏切られたように感じてならないんです」
吐き捨てるように言葉が続いていく。
「私の為だと、貴女はいいますがそこの人形をかばってでしょう。
気に食わないんです、その瞳が私を見ていないことが」
裏切らないでといったのに、と呟く音を耳が拾う。
「その選択は、貴女の幸せに繋がりますか? ねぇ、ルナさん」
答えてくださいよ、と蒼が希う。
「貴女が幸福であれば、私はそれでいい。私のことなんてどうでもいいんです。
ただそうでないのならば、許せない」
形のないものは示せない。この歯車を抜き取って、差し出しても伝わらない。
「そうなれないのならばいっそ――すべて壊したって構いません。
貴女がただひとこと。しあわせだと言うのなら、考え直しましょう。
ふふ、嘘でもいいんですよ?」
紡がれた言葉こそ嘘だ。
そんな真似をしたら、躊躇わずに歯車を撃ち抜かれるだろう、なにより。
その偽りこそ、本当の裏切りになってしまうから。
マスターの方へ足を踏み出す。
眼の前に、優しくて残酷な手が差し出された。
まるで、一緒に踊りませんかと誘うようだ。
もしもその手を握り締めて。あなた以外は世界にいらないと言いきれたなら、どんなに楽だろうか。いつもの日常に戻るだけの閉幕。
けれども、今の私が出せる、伝えられるものは。
伸ばしかけた腕を、胸に引き戻して。
「私は、あなたが失われたらと思うと、たまらなく恐ろしいのです。
マスターは、私の存在意義です。私の始まりは……あなただけです。
それは、変わりません」
あなたが、世界の全てでした。
真っ直ぐに、蒼色を見つめかえして。
「私は、外の世界にも意義を見つけてゆきたいのです」
ヒトガタの身には知らない事が多すぎる。
「ただひとつきりの中だけでは。それが一番のしあわせなのか 答えは出せません」
ひたむきに言葉を捧ぐ。
「ただ一度。この一度きりだけ。あなた(あるじ)に逆らう事を、お許しください」
蒼色の瞳は静かな色をたたえていた。幾度か、唇が開いては閉じる。
見逃しも、聞き逃しもしまいと見つめる。
私の耳に飛び込んできたのは。
夜空に響く銃声で。
聞こえた方へはじかれるように視線をやる。
眼の前ではない。
「賭けの結果はとうに出た。いつまでぐずぐずしているつもりだ」
金糸と紫色の彼が近づいてくる。
マスターの前に向かおうとして、制された。
ツカツカと歩み寄ったエルフィスは、そのままの勢いで彼を殴り飛ばした。
ぐらつく背を、慌てて支えた。緩んだ髪紐がはらりと、腕に舞い降りてきた。
「あと一手で、また失うところだった。二度も見逃すとでも――」
胸ぐらを掴んで蒼色が殴り返した。
「昔っから、お前は口煩いよね」
往生際が悪いのは貴様だ、とごちる。
そこのポンコツは待機していろ。
後で回収にくると告げて、彼は足早に立ち去っていく。
後を追うように、ゆらりと歩き始めた背中から、言葉だけが降り注ぐ。
「ルナさん。貴女は戻っていてください」
「しかし……」
「私が出向きましょう。もともとは我々が始めたものですから」
わかり……ました。言葉を、飲み込む。
「いってらっしゃいませ。お帰りをお待ちしております」
夜に揺れる、銀色の背中へと、声を掛ける。
「待つのも、待たないのも、貴女の自由ですから」
好きにしていてください、と言葉だけが残った。
「あぁ、、雨が降ってきちゃいましたよ」
シアの言葉につられて、空を見ると。
空が泣いていた。
しかもそれは、見る見る内に強くなる。
「あーぁー、錆びる錆びる」
彼女がそんなことを言いながら。這いずって建物の陰に隠れた。
仕事着のフードを被って、私は事務所に戻ろうと思い立って。
少しだけ、振り返る。
「アリシア、あなたは大丈夫ですか」
「後はなるようになれです。そっちこそ、後悔してないんですか」
走馬灯のように、記憶が巡る。
「そんな感情、私は持っていないから平気ですよ」
今の私には、もう尽くす言葉がない。
製作者と人形って似るんですかねー、あーやだやだとごちながら。
「さ、もうとっくに日付は変わってます。オマケに雨も本降りです」
じゃあね、と彼女が手をひらひらと降る。
またいつか、と口に出した瞬間、自然に顔が綻んだ気がした。
降り出した雨は強さをましていく。
スラム街の片隅でずぶ濡れになるのも構わず向かい合う。
「まったく、痴話喧嘩を聞かされるこっちの事も考えろ」
「何を。お前が勝手に盗み聞きしてただけでしょう」
言葉を投げつけても、どちらも引かないから堂々巡りするだけだ。
「さて、どうしましょうか?」
さぞかし、面倒くさそうな表情をしているのだろうな。
あぁ、あちらとて腕を組んでつまらなさそうだから、お互い様だ。
「どうもこうも、結果はすでに出た。まだ駄々をこねたいか」
まさか。きっぱり別れなかったのが惜しいだけですよ。
久方ぶりに合った知り合いに持ちかけられた話。
もしものとき。どちらの機械人形が、所有者を裏切るだろうか?
そんなささやかな賭け……ゲームのようなもの。
それは幸か、不幸か。
結果的には双方の人形が主を裏切ることになった。
予想外の出来事があったとしても。
是もなく従わなかった時点で賭けには負けている。
「俺は、とりあえずはもらうが」
お前はどうする? とルイが尋ねる。
その問いに、私はすぐに言葉をつなぐ。
「あなたが消えればいいだけですからね。見逃してあげますよ」
「気に障る言い方だな」
「私は痛い思いするんですから、別にいいでしょう」
あぁそれと。
「金輪際あなたの人形には近づかないように。もう、興味はないでしょう?」
さ、どうぞ?
片目だけをゆるりと閉じる。残る片目で見ても苛つく顔が近づいてくる。
あの時の私のように、躊躇いなく抉り取られる感触がした。
目元が、痛みに反射して歪む。
だが、この身が失われるぐらいは、どうということはない。
眼窩から流れ落ちているであろう、赤色が脳裏に浮かんだ。
「あの時もこれくらい、ですかね」
「倍だ」
それはそれはすいませんでした、とわざとらしく伝えた。
むろん、謝罪はいっさい含まれていない。
えぐったそれをしげしげと眺めるルイ。
「気味が悪いですね」
「お前ほどじゃないだろう」
「とっとと潰すなり、捨てるなりすればいい」
するとルイはそれを、懐から取り出した、液体の満たされた小瓶に閉じ込めた。
口から溢れたのは、罵倒でも嫌味でもなく、ため息ひとつ。
「どうした。お前の望んだ結末だったろうに」
望んだ夢は叶っただろう?
そう、話しかける紫の瞳は、曖昧な色に見えた。
えぇそれはもう、二度とはない舞台でしたよ。
「俺としては壊して回っても構わないんだが」
「嫌味ったらしいなぁ。そうするなら、もうとっくに殺してます」
そうしないのは……と私は続ける。
「ほら、彼女に怒られてしまいそうですし」
「結局俺はお前に勝てないのか」
その頭じゃあ無理ですよ、と彼は笑う。
「私の実験は終わりましたよ、随分、長かった気がする」
「あっけないものだ」
「これからは先は、彼女の物語ですから」
「それでお前はどうする」
「おとなしく、去ろうかなと。きっと私は不要でしょう」
「俺も何処かへいくか」
鉢合わせだけはしたくないですね、と彼がいう。
変わることのできた彼女なら。きっとこの先へも物語は続いていく。
「もしも……あの時壊されていなかったら」
生き写しの彼女だったならば、どんな結末だっただろうか。
ルイは、俺が知るかと言葉を投げる。
「お前は夢みたままだったんじゃないか?」
「あなたは変わらずストーカーか」
そもそも、とルイが言う。
「あれを経験していない自分。そんなのは俺ではないだろうが」
それもそうか。今の己とはかけ離れているのは確かでしょう。
「さぁ、道化は退場しましょう。離れることは、慣れているでしょう」
「ふん」
そっぽを向いて、ルイが歩き出した。
また、何処かへあてもなく旅をするのだろう。
「では、二度と会いませんように願ってますよ」
「それでは、な」
あっというまに夜に紛れたルイ。それをなんとなく見送ってから。
眼帯の男とは反対方向に、私は歩いていく。街から離れるように逃げるように。
「可能性は紡がれた。いつか、答えも見つかるでしょう」
それを私が耳にするかどうかは別として。
今宵のことは、朽ちるまで記憶から消えることはないだろう。
思い返すと、ぎらついていた心が、少し穏やかになっていくような気がして。
かすかに口元が綻んだ。
未練がましくもなく。冷たくもなく。ただ、澄み切った湖のように穏やかで。
ヒトガタの身ながら、人の心に近い。まだ、滑らかに微笑みを作れない機械人形。
定められた枠を壊して、彼女は進む。彼女自身が紡いだ、物語のその向こうへと。
月の名を関する彼女に。
「ただ、しあわせがありますように」
それをひたすらに願いながら。
腹の中の、弾けては消えていく感情の泡沫を塗りつぶしながら。
静かに静かに、ただ夜に消えていく。
◇
冷たい身体のきみ。
ガーネットよりも紅くて深い――
綺麗な瞳と髪のきみ。
約束を覚えているだろうか。
僕の言葉を忘れてはいないだろうか。
どうか――僕は願おう。
きみがしあわせになれることを。
そのしあわせが、僕の傍らに在るよう。
遠い昔の、言の葉に託そう
これは私のわがまま。
それでも貴女が微笑んでくれるのなら。
私に聞かせてほしい。
貴女が自分で見たままの、世界を。
ありのままのかたちを、貴女の口から。
物語を紡いでくれたなら――
ありがとう と言祝ぎましょう
機械人形の貴女に。
永久のしあわせがありますように。
◇
◆
貴女の答えが見つかりますように(本当はただ傍にいてくれるだけでいい)
私のことなぞ、大切にしなくていいから(どうか僕を忘れないで)
広い世界を知ってください(何度でも私を選んでください)
貴女が思うままに、自由に生きてください(あの人の代わりにしあわせになって)
しあわせになってくれたら、それだけで(失うくらいならいっそこの手で)
望むものなんてありませんから(貴女以外は何もいらない)
蒼に沈む
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