さぁ〜てぇ、ゲーム開始じゃてな

魔法と言われる現象を起こせるようにはなったのじゃがの、これでは、とてもではなくが実用には耐えられんじゃろうてのぅ。

ほじゃからの、天使さんへな。


「もっと実用的な魔法が使えるようにのぅ、ここで訓練しても良かろうかえ?」っと尋ねたんじゃが…


「ここはキャラメーキングステージですので、流石にこれ以上のサポートは行えないんです。

 そろそろ旅立って頂かないと…」っと、そのように天使さんがの。


さようかえ、それなれば、仕方あるまいの。

もう少しだけ魔法の練習をば、したかったのじゃがのぅ残念じゃてな。


「ほうかえ。

 なれば、仕方あるまいのっ。

 して儂は、どがあすれば良かろうかいのぅ?」


そがぁな風に尋ねるとじゃな。


「スタート地点への転移は、こちらで行います。

 リョウマさんは、何もなさらなくて大丈夫ですので」って、言われてもうたわえ。


「ゲームでは15歳からのスタートとなります。

 リョウマさんが降り立つ惑星の文明レベルは高くありませんので、戸籍管理も明確化されてないんです。

 ですが、15歳の少年とはいえ、素性不明では都合が悪くてですね」

「まぁ、そうじゃろうのぅ」

「ですので、リョウマさんの経歴を用意しております。

 そしてゲーム内にてプレーヤーを支援する組織がありますので、その組織建屋の一室へログインすることとなります」


なるほどのぅ、致せり尽くせりっう訳じゃな。

しかし…


「全惑星へ、そのような組織を構築しとるねかえ?」 

いくつ惑星があるのやら知らぬがのぅ、大変なことじゃてな。


「まぁ、そうなりますわね。

 ですが、全惑星をAIにてモリタリングしておりますし、仮想現実ですから、いくらでも調整可能なんですの」っと、天使さんがな。


ほうじゃった、ほうじゃったわい。

あまりにもリアルな出来じゃてな、仮想世界っうのを忘れておったわえ。

これじゃから、歳は取りとうないものじゃてな。


「ほぅかえ。

 なれば、その組織とやらが後ろ盾になってくれるのかや?」

「そうなりますわ。

 プレーヤーのサポート組織となりますので。

 ログインされましたら、サポートAIが接触してきますから、指示に従って下さいね」


そのように告げた天使さんがの。

「では、良いゲームライフを」っとの。


そう告げられた途端にじゃ、見知らぬ室内へとのぅ。

いやいや、いきなり過ぎじゃろがい。


礼くらい告げたかったんじゃが…まぁ、ゲームじゃてな、仕方あるまいて。


しかしのぅ、なんとも質素な部屋じゃわえ。

家具が全くない木造の部屋でな、四方八方が木材にて造られておる。


おるのじゃが…ニスくらいは、塗ってくれんかえ。

切り出した木材を組み合わせただけでな、塗料も塗ってはおらぬようじゃて。


虫除け剤も塗布しとらぬのではなかろうか?

こらぁ、朽ちるのも早そうじゃわい。


ふむ、これが文明格差にて、アラが見えるちゅうヤツじゃろかい?


むっ!?

そがぁなことを思っちょったらじゃ、誰か来たようじゃな。

はて?誰かじゃろかい?

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