魔法を覚えるのじゃっ!沸るわぇっ!

体内を巡る温かさを感じちょるとじゃ、天使さんが驚いたようにのぅ。

「えっ!うそっ!

 もう分かられたんですかぁっ!」っとな。


天使さんが言うにはのぅ、魔力や魔素を感じにはじゃ、普通は超早くて数週間、普通は数ヶ月は掛かるそうな。


しかも才能があっての場合でじゃぞ。

下手したら数年や数十年掛かることもざらじゃし、そもそも感じられん場合もあるそうな。


「そんな…こんなに早く魔力を感じる方がいるなんて…聞いたこともないですわ。


 いえ…そう言えば…プレイヤーでなく、現地民の方にはおられたはず。

 実に珍しいですわねぇ」っと、興味深げにのぅ。


ほぅ、儂…才能有っちゃう?

どやぁぁぁっ!じゃっ!


これで儂も魔法使いじゃてな。

などと思うておったらのぅ…腹下へと温かいもんがの。

これは臍下へそした辺りかや?

いわゆる丹田たんでんっと、いうヤツじゃなかろうか?


そこへ集まった熱が鳩尾みぞおち、胸、喉、眉間、長頭部へと移り、その後は逆順にて丹田へと至るとじゃ、その熱が尾骶骨びていこつへとの。


そこからは丹田へと戻り、先ほどの順にて体内を巡り始めおったわい。


そのことをの、天使さんへと告げるとじゃ。

「規格外すぎません?」っとの。


先ほどの説明から鑑みるに、この現象も容易く起こせるものではないのじゃろうて。

まぁのっ、儂が意識して起こしたことではないんじゃがな。


天使さんが語るにはじゃ、これにて魔素を取り込み魔力を練るという基礎的な技術を身に付けられたとのこと。

ねれば、なればじゃっ!

これで儂も魔法が使えるっということじゃなっ!


「そうですわねぇ、試しに火魔法を使ってみます?」っと天使さんがの。

ほんに、儂も魔法がかぇ?

こらぁ、沸るわぇっ!


「使う!使うぞぇっ!

 して、どがぁして使えば良いんかいのぅ?」

やり方が分からんのじゃが…


「使い方は簡単ですわ。

 人差し指を立てて、指先へ魔力を集めるんです。


 そうして集めた魔力を火へ変えるイメージを。

 そうすれば、魔力が火になりますから」

天使さんが、そのようにのっ。


そうかぇ、ならばじゃ!やってみようかぇ。


そう考えた儂はのっ、天使さんに教わったようにの、魔力を火へと変えてみたのじゃが…


「……… ……… ……… ちと、ショボくないかぇ?」


ふむ、ライター…いや、マッチの火じゃの。

いやのっ、確かに火が出せてはおるのじゃ。

おるのじゃが…これじゃない感がのぅ。

 

メ○ゾーマまでいかぬとも、せめてメ○くらいわのぅ。

いや、ファ○ガが無理でも、ファイ○とかのぅ。


儂の思う魔法とは、かけ離れておるのじゃが…しょんぼりしゃて。


じゃというのにじゃ!


「初めてで、火魔法を成功させるなんて…前代未聞ですわっ!

 しかも、火が大き過ぎません?


 どれだけ規格外なんですかぁっ!」

などと、天使さんがのたまうのじゃが…これでかぇ?


「儂としては、もっと魔法らしい火をじゃな。

 ほぅじゃのぅ。

 ファイ○ ボールとかファイ○アローなんぞを、期待しておったのじゃが…」


そうつげるとのぅ、天使さんが呆れたようにの。

「なに贅沢言ってるんですかっ!

 魔法が使えない方も多いですし、使えるようになるのに多大な時間を費やすことが通常なんですよっ!


 容易く、そのレベルまで到達するなんて本当はあり得ないことなんです!

 っと言うか…なんで、そんなに簡単にできるようになるんですかぁっ!」ってなことをの。


いや、そがぁなことをいわれてものぅ…照れますわい。


その後なんじゃがの、地水火風の四大元素魔法、氷雷樹命の派生魔法にじゃ、光闇の上位魔法を教わったぞぃ。

まぁのっ、火魔法で分かるように、規模や威力はお察し程度じゃがのぅ。


それでもじゃ。


「あり得ません。

 なんですか、この修得の早さは?


 聞いたこともないのですけれど…私が知らなかっただけでしょうか?」


天使さんがの、何やら考え込んでしもうたのじゃが…何か問題じゃったんじゃろか?










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