考えるでない、感じるじゃっ!

魔法を使うには魔素ちゅうのが必要なんじゃのぅ。


つまりはじゃ、現実で魔法が使えんのはな、魔素が存在せんけぇじゃちゅうことじろうのぅ。

もし、魔素が地球にも有るなればじゃ、現実でも魔法が使えるちゅうことなんじやろか?


魔法、魔法かぁ…ロマンじゃのぅ。

いろんな物語、映画にゲーム、漫画や小説にお伽噺、はては神話などにも語られておるのぅ。


んっ?待てよ、待つんじゃっ!

火の無いところに煙りは立たんけぇの。

まぁ、火の無いところに水煙は立つようじゃが…


本当に地球で魔法は使えちょらんのじゃろうか?

あれだけの物語りに魔法がでてきちょるんじゃが、なにもなしに空想だけでかや?


本当は、魔法を使つこぅちょるヤツがおってじゃ、それを知ったやからが語り継だとかの。


なればじゃっ!

魔法の使い方をの、ここで教えてもろうたら…現実でも魔法が使えるんじゃなかろうかぃ?

夢が広がるのぅ。


儂がの、そがぁなことを思っちょる間にじゃ、天使さんがの、なにかをしちょったようでな。


「よし、これで大丈夫かな?

 うん。

 十分に充填できたでしょう」ってなことを言っておるのぅ。


してな。

「リョウマさん、お待たせしました」ってなことをのぅ。


なんじやろかい?


「この空間へ魔素を充填しましたので、魔法を教えますね」じゃとさ。


ほぅほぅ、魔素の充填かぇ?

そがぁなことをしちょったんじゃのぅ。


どうやらの、魔素ちゅうのが満たされた空間じゃないと、魔法を教えれんのじゃろうな。


その準備をしちょったわけかぇ。


「では、魔力を流しますから、体をさわりますわね」っと告げた天使さんがの、儂の胸へと掌を添えたんじゃわいや。


いや、天使さんや?

物語りなんぞではの、手を繋いだり、背中へ掌を添えるとかじゃったと思うのじゃがのぅ?


「はふぅ…逞しく厚い胸板ですわ♡」

ちょっwww


「ふふっ、冗談ですわ。

 心臓に一番近い場所から魔力を注いだ方が、修得し易いんです」っと、小悪魔的に微笑みながらの。


天使が小悪魔って、わけわからんわいっ!


して、説明にて理解できんことがの。

魔力って…なんじゃらほい?


「あぁ~っ、なんじぁっ。

 魔素じゃのぅて、魔力なんかえ?」ったらの。

「魔法は魔力でないと発動できないんです。

 そして魔力は、体内に取り込んだ魔素を練って作りだすんですよ。


 この魔素から魔力を産み出すことは植物を除く生物のみ行えます。

 ただ教わらずに、意図して行うことは厳しい技術で、自然に行える天才が産まれるのは、希ですね。


 そんな天才が、魔素から魔力を産み出す技術である魔術を産み出したんです。

 その修練として、魔術修得者が魔力を相手へ流すわけですね」


そのように教えてくれたわぇ。

そして実際に魔力を掌からのぅ。


じんわりっと、温かい感じが…

ほぅじゃのぅ、カイロを当てた箇所が、じんわりっと温かくっていく感じかえ?


カイロの場合はじゃ、表面的にだけじゃが…合わせて温かい飲み物をの。


つまりはじゃ、天使さんの掌からの、カイロのような温かさが身に染みてのぅ。

さらにじゃ、飲み物を飲んだような温かさが胸の奥へとの。


それがの、心臓と思うところ箇所へと届くとじゃ、自分で胸へ掌を添えて鼓動を感じるかのごとく、心臓の鼓動が感じられてのぅ。


んじゃ、これ?

よくファンタジーものでな、『心臓の鼓動や血流を感じるように感じろ』なんちゅう無茶を論じちょるのを見掛けるんじゃがな、儂は胸へと掌を当てんと鼓動を感じんし、血流なんざぁ感知できたことなんざぁありゃぁせんわい。


どがぁな無茶を言うんなら?ちゅうて思うちょったんじゃが…


「温かさが鼓動に合わせて、体内を巡っていくぞぃ!?」

うん、あの無茶苦茶じゃと思っておった説明通りにの。


実は、あの作者らは、経験者じゃったんじゃろかい?

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