おみくじ
今年も初詣に行くことに。
去年は遅くに行って混み合っていたから早めに家を出て神社に向かったがそれでもやはり混んでいて行列は長い。
「ああ寒い、寒い」
と厚手のコートを着たのにも関わらずに寒がる2人。
外では李仁の方が先にピタッと湊音にくっつくがさすがに寒すぎて今日は湊音からくっついた。
「こんだけ並んでさぁご利益あるかな」
と湊音がぼやくと
「そんなこと言うと神様がフン!だなんていうわよ……ネガティブにならず待ちましょう」
「相変わらずポジティブだな、李仁。去年だって僕のおみくじ悪かったけど二人のおみくじ合わせて大吉とかさー……」
またいじいじ湊音。李仁は湊音の肩を抱き寄せ
「いいことたくさんあったじゃなーい。色々まー人生あるけど今日も生きてるからとりあえず大吉だった、にしよーよ」
「ん、うん……もーあまり密着しないで恥ずかしい」
湊音はやっぱくっつくのは恥ずかしいらしい。
不貞腐れている李仁。
こうして並んでようやく手を合わせて次は恒例のおみくじへ。
「さてさて、どうなるかなー」
お金を入れて二人はそれぞれの箱に手を突っ込み出した。
ドキドキしながら二人は開ける。湊音は指先が乾燥していてうまく開かない。
「あらやだ」
先に開けた李仁は驚いた声を出す。
「末吉ー久しぶりだわぁ」
「あ、僕は中吉……」
湊音の方が上だった。二人顔を見合わせる。
「今年も合わせて大吉ね」
「……んー、吉くらいじゃない?」
「んなもん、大吉にすればいいのよ」
思いの外結果が悪かった李仁は無理やり大吉にしたがる。湊音は中身を読んでいる。
「互いに安産、だしねーいいじゃない?」
「僕らは産まないだろ」
「ふふふっ」
李仁は少しにやけている。湊音はなんとなくわかった。
「新年早々下ネタやめろ」
「あー、夜楽しみっ」
「はいはい」
「ミナくんは楽しみじゃないの?」
「昨日散々やって、朝も……」
「いつものことじゃない。新年初夜……」
「バカかぁ」
今年も仲良いようでなにより。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます