過去の写真

李仁は大掃除が大好きだ。今年は互いに忙しく30日までまったり仕事であった。


おせちは職場で作ったからあとは夜にすき焼きを食べるだけ。


「ただいま」

湊音が実家から帰ってきた。荷物を取りに行ってたようで。

「どうしたのそんなにどっさり」

湊音が段ボールを抱えている。

「母さんがアルバムはもうそっちに置いとけって言うから」

「なになにー」

李仁が知らない写真でもあるのかとウキウキでダンボール持つ。

そしてリビングに行き、さっそく広げるが湊音は恥ずかしいようだ。

「一応中学から高校までの。他のもあるけどなんとか回避してきた……」

パッと開くと李仁は驚く。金髪にした湊音が写っていた。湊音はすかさず取り上げる。


「それが例の高校デビューしたけどすぐ先生に怒られて終わったやつね」

「親が撮ってたのは覚えてたけど。セルフで金髪にしたんだけどさ、親父に怒られるかと思ったら似合うなぁって……撮られた」

今は黒髪で真面目に市役所で働く湊音とは違うスレた一面を年末に見ることができた李仁はドキッとした。

「お父様も教育委員会のお偉いさんだったし……よくも怒らなかったわね」

「僕もヒヤヒヤした。母さんは笑ってたけど」

「なんで」

湊音は恥ずかしそうに

「似合わないから」

と言うが李仁とは首を横に振り

「そんなことない、スレてるミナクン……好き」

微笑んで写真を見て惚れ惚れしているようだ。


「……まじかよ」

「うん、まじ。悪そうなミナクン結構やばいくらい好き」

「好き好きこんな時に言うなよ」

湊音も照れる。

「高校デビュー失敗したけどもし成功してたら私と出会えなかったのかなぁ」

首を傾げて李仁が言う。返事を期待してるようだ。湊音はたじたじになりながらも色々考えて言った。

「そっちのルートでも絶対李仁を見つけ出す」

「あまーい!!!!」

「バカかっ」


そんなこんなで夜も待ちきれず掃除も放棄してラブラブ大晦日な二人であった。

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