第7話 エリザベス女王杯(予想)
京都競馬場へ着くと、雫たちはみんなで力を合わせて当たる馬券を予想します。
「ここは、手堅く実績のある馬で複勝でも買って」
「そんな賭け方では倍率が低い。もっと大穴を狙って」
「ダメだよ人気の馬じゃないと、勝てるか不安だよ」
激しい論争の中、雫の耳にかけていた赤鉛筆がささやきかけてきました。
――エリザベス女王杯は、差しの馬が強い。差しに賭けなさい。
――エリザベス女王杯の前情報は、 競馬新聞に記載してあります。
みんなはこぞって、雫の耳にある赤鉛筆を欲しがりました。
「こいつを買おう」
「こいつの方が良い」
「いっそ全部買ってしまおう」
みんな競馬新聞に印を付けたいようです。
雫はイラっとして声を荒げました。
「みんなで力を合わせて考えて、一番良い馬に賭けるのが良いんでしょうが! 人気や倍率だけじゃなくて、馬のことを見て! 体重を見て。パドックを見て。どの馬の調子が良いか、ちゃんと目を見て。足を見て。しっぽの振り方を見て!」
そう言われたオジさんたちは、しゅんとなり黙ってパドックを確認しました。
「みんな見てみて!」
雫は指をさしてみんなに呼びかけました。
「ねえ、あの子が良い!」
「そう言われれば、調子は良さそうだな」
「体重も安定している」
「顔つきも良い。足の筋肉も仕上がっている」
「でしょ? そして、差し馬なの。この子を軸として流しで買いましょう!」
雫たちは、5番人気の差し馬を軸として流しで賭けました。
――そう、気づいたらここまで読んでいたの。
面白いと思ったら3つ星を軸として、 星を流して下さいませ。
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