第38話 機械仕掛けの天使
「もはや時代遅れとなった旧人類たちよ。せいぜい
そう宣言した人類の敵対者は、俺たちの扱いについてもご
「なお、我の支配下に置かれた旧人類は、我らの食事となる魔力を供給するための家畜としてその生命が保証される。よって、安心して我の支配下に入れ」
「それのどこが安心できるってんだよ!」
セシィが
「しかし、無駄にプライドだけは高い諸君らのことは理解している。よって、そのプライドごと諸君らの心をへし折る存在も、我は用意した」
いったいどんな新兵器が登場するのかと
「紹介しよう。彼女こそが我の代理人。すなわち天の
その瞬間、これまで黒一色だった画面が切り替わり、この世のものとは思えないほど美しい女性が映し出された。
金髪に青い目で、きめの細かい白い肌。その髪は後ろでアップにまとめられている。
しばらくするとカメラが引いていき、全身像を映し出す。それがご
それは青を基調とした服にハーフプレートを
「これは、見た目だけなら確かに天使だな」
ウォルターはそう評していた。しかし俺には、どうしても精巧なフィギュアにしか見えなかった。
なぜなら、その顔はずっと無表情を維持しており、何事にも興味を持っていないといった様子で、微動だにせずに
「この姿は我からの慈悲である。
これからこの天使によって、諸君らには絶望が与えられるだろう。その
「そんな慈悲なんざいらねぇんだよ!」
セシィが叫んだ。しかし、偽物の神様はそんな俺たちに一切構うことなく続きを語り、この長い演説を締めくくった。
「では諸君、戦争を始めよう。諸君らの大好きな戦争を」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます