第20話 ????
最終段階へと
そんなある日。いつものような調子で、所長が相談を持ち掛けてきた。
「なあ。前線の
この忙しい時期に、また
帝国が勝とうが負けようが、我にとってはどうでもいいことだ。
我は多少のイラつきを感じたが、まだもう少しの間は
その上、計画をスムーズに実行させるためには、連邦の横やりは
我は
「そうですね……」
そして、我は
「では、高コストにはなりますが、高性能な機体と、それに見合うだけの高性能な人工知能の組み合わせを提案いたします」
「ほう……。それはなぜだい?」
「現状、帝国軍が劣勢に
「ふむ……」
所長が
我の計画では、発動直後に超高性能な機体を用意することになっている。
天使型と命名したその機体の設計データは、既に用意している。
生産ラインの制御システムも既に乗っ取りが完了しているため、いつでも作れはする。
しかし、まだそれらを知られるわけにはいかない。
ただ、天使型のための戦闘データ収集用の機体が欲しいのも確かだ。
いかに優秀な我といえども、ぶっつけ本番で新型の超高性能な機体を用意するのはリスクが高い。
天使型のプロトタイプにはちょうどいいか。
我は計算を続ける。
しかし、当初設計よりもかなりダウングレードし、機能を
「ちなみに、その高性能な機体とやらの設計データはあるのかい?」
「ちょっと待ってください。
我は
「ううむ……。このスペックは本当かい? 確かにこれ一台あれば、連邦の多脚戦車連隊ぐらいなら相手取れるだろうけれども、これほどまでに高スペックな機体を、本当に作れるのかい?」
我はその不安を解消すべく、
「少なくとも、頭脳部分の人工知能に関しては問題ありません。後は、これに必要になってくる高性能魔力筋繊維ですが、帝国にまだ在庫が残っていることは、データベース上で確認済みです。ですので、これからそれが実際に残っていることを確認しさえすれば、理論上は作れるはずです」
我は次々にデータベース上の内容を表示し、少なくともデータ上では問題ないことを示す。
「よし、分かった。これの作成を上層部に掛け合ってみよう。それにしても、やっぱりお前はすごいな。何も言われなくても、こんな案を用意しているだなんて」
「
「ははっ。これほどのすごい設計が息抜きとは、恐れ入るよ」
そう言いながら所長は我の提示したデータを記憶チップにコピーし、部屋を出ていった。
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