第6話 最強の師匠と万能な平民

 ジト~っと二人を見やる。「なんでも答える」と言っておいて三連続で「答えられない」と言われるとは思わなかった。

 あからさまに何かを隠している様子ではあるが流石に僕は此処で突っ込んで聞けるような性格はしていないし、そもそも先に不遜な態度を取ってしまっていたのも僕だ。であれば「時が来れば教える」と言ってくださっているのだしその時まで待てばいい。気を取り直して他の質問をしよう。


「仕方なかろう。我らにも勿論秘密はあるのでな。しかし小僧が我らの下でしっかりと修行し実力をつけた後、しかるべき時が来れば教えるまでも無く知ることが出来るものでもあるのだ」

「そうそう。だから今は諦めて俺らの過去とかなんで坊主を知ってるのかとかは聞かないでおいてくれ。改めてそれ以外ならなんでも答えるぞ!」

「では・・・お二人は僕のネックレスに付いているこの水晶の中にいると仰っていましたが、先程僕に話しかけてきた声はお二人で間違いないのですか?」


 そう。最大に気になっていた三つの内の一つ。まるで僕に対する殺害予告とでも取れるあの発言はこの二人からだったのか、もしくは更に訳のわからない理由から来る第三者なのか。ここははっきりさせておかないと夜安心して眠れなくなってしまう。


「先程小僧が友人に殴られ気絶する直前に聞いた声の事であれば確かに我らの声に間違いない」

「漸く声が届いたもんだからちょっと興奮しちまったけどな」


 どうやら今夜もゆっくり寝る事が出来るようで少し安心した。まぁその為には一人ぶん殴らなくちゃいけない奴がいる事も思い出したが。先程の戦いが印象強すぎて忘れてたよ・・・。

 でもそうなると何故僕を殺すような事を言ってきたのか聞いておかねばならない。


「・・・では何故僕を殺すような事を言ってきたのですか?今のお二人を見る限り確かに僕を殺すことは容易かもしれませんがそのような事をするとは思えないのですが?」

「はぁ?俺らが坊主を殺すだ?そんな事するつもりもねぇし言った覚えもねぇぞ」

「然り。そもそも我らは現状この空間から出ることは出来ん。それに此処では死の概念が無い。怪我も病気もない。あるのは只々白い世界と退屈だけよ」

「え?でも確かに『お・・・・・・い・・・こ・・・・・ろ・・・・す・・・』とか『し・・ね・・・じん・・・よ』って聞こえてきたんですけど?」

「・・・これはもしや」

「おん?心当たりでもあんのかマディラ」

「カイルよ。貴様先程外の小僧になんと声をかけたか覚えているか?」

「んぁ?いやぁ~覚えてねぇなぁ」

「・・・仕方あるまい。まず先に我が『ぉ!漸く声が届くようになった!おジンよ!やつめ散々待たせおってからに!うじんをあまり待たものではないわ!!』と言った」

「よぉ覚えてんなそんな事・・・」

「次に貴様が『ょうがぇだろ。俺らが此処に居る事をは知らねぇんだから。おーい!あんま気にすんな!』と言っていたな」

「あぁ~そんな感じだったかな」

「つまり小僧に聞こえた声は我らの叫びが断片的に聞こえたものだったのだろう」

「・・・そんな奇跡いらなかったです」


 知ってしまえばなんとも馬鹿馬鹿しい答えだった。どうやらまだ僕が実力不足の為、この世界への干渉力が低いのだと魔王様が教えてくれた。

 自分の意識の奥底へ干渉する実力ってのがなんなのかさっぱりわからないけども・・。


「まぁいいじゃねぇか。良くも悪くも奇跡ってのはありえないようなことが起こるもんだ。狙って出せるもんじゃないんだから良い奇跡も悪い奇跡もただの結果論なんだよ」

「自分に都合の良い奇跡には感謝感激。悪い奇跡には非難落胆。人間も魔族も変わらんことではあるがその考えでは実力が上の者との戦いには勝てんぞ?」

「え?でも良い奇跡ならまだしも悪い奇跡が起こってしまったらそれは相手に運があったって事なのではないですか?」


 こればかりは人間も魔族も関係無いと思う。だって生物であれば自分に都合の良い奇跡が起これば嬉しいし悪い奇跡が起これば悲しい。思考出来る生き物である限りこの感情は根幹から出てくるものであり反射で感じてしまう事。そこにコントロールするすべはない。


「じゃあ坊主は戦闘中に足を滑らせて転びそうになった時どうする?」

「戦闘中・・・ですか」

「付け加えて小僧が体勢を崩した事を相手が好機と見て攻撃を仕掛けてきているという状況で答えてみよ」


 敗北。絶望の二文字が頭を過る。そもそもそんな状況から挽回なんて出来る訳が無い。相手がどんな戦闘方法であっても間違いなく被弾する。だとしたら僕の答えは一つしかない。


「振るわれる攻撃に対して最小限のダメージで済むようにします。例えそれで腕や脚が壊されようとも継戦出来るのであればその後に逆転出来るチャンスがあるかもしれませんから」


 これしかないだろう。平和な世の中とはいえ国の外に出れば犯罪者や魔物等が居る。もしそいつらと戦う事になったとしたらまずは生き延びる事を考えるのが第一の筈だ。


「カッカッカ!流石は優等生!教科書通りの答えだ」

「うむ。優秀な者であれば我らが戦っていた時代の戦士や兵隊達も同じ事を言っただろう。素晴らしい答えだ!」

「ほ、本当ですか!?」

「あぁ。現に俺もマディラも同じ考えだったからな。」

「左様。まずは生き延びる事。命さえ繋がればチャンスはいくらでも作ることが出来ると考えていたな」


 嬉しい。どんなに頑張ってもどんなに足掻いても主席の皆に追いつくことが出来ず差ばかりを痛感させられていた僕を伝説の住人が認めてくれた。同じ考えだと言ってくれた。これまでの自分の歩んできた道は間違いではなかったのだと太鼓判を押された気分だった。思わず頬が緩んでしまう位に。

 だが次に紡がれた言葉はそんな僕を叩き落とすものだった。


「「だからこそその答えは零点だ」」


 上げて落とすってこういう事なのかな?僕を持ち上げるだけ持ち上げて離した。笑顔で共感して「自分もそうだった」と言っておきながらこの手のひら返し。

 今この瞬間から人間不信になりそうだ。


「な・・・・んでですか?」


 こんな一言を絞り出すのに必死になる日が来るとは思わなかった。僕は今どんな顔をしているんだろう?青ざめているのは間違いない。


「自分に都合の悪い事が起こったら被害を最小限にするってのは確かに咄嗟の判断としては百点だ。さっきも言ったが俺もマディラも50年前迄は坊主と同じ考えだったしな」

「だがこの考えには思わぬ落とし穴があったのだ。我もカイルと戦い、この世界に来るまで気づかなかった大きな落とし穴がな」

「落とし穴・・・」

「実力が拮抗している同士で両者この考えだと千日手せんにちてになっちまうんだよ。お互いに相手がミスするのを待つしかない状況になっちまうって事」

「自分に取って都合の悪い奇跡とは相手にとって良い奇跡という事になる。故に互いに決定打となるような技はその時の為に取っておき、チマチマと小技の応酬で決着が付かん状態が完成するという事だ」

「おまけにそんなんだからお互いまともに動かず小さい奇跡すら起こりゃしねぇの」

「だからお二人の戦いは数日間も続いたということですか?」

「然り」


 歴史の答えの一端を知ってしまった。まさか伝説の戦いが千日手とは・・・。でも小技の応酬って言ってたけど教科書や伝承なんかにはって書いてあったんだけどなぁ。


「故に今の我らが導き出した答えを弟子である小僧に教えよう!第一の教えぞ。心して聞くが良い」

「は、はい!」

「相手にとって都合の良い奇跡が起こったならそれを逆手に取れば良い」

「は、はい?」

「態々難しく伝えてんじゃねーよ!」

「む?答えを教えた筈なのだが」

「マディラ様・・・すみませんがよくわかりませんでした」

「ほらみろ!バトンタッチな」

「むぅ・・・」


 伝説の魔王様がちょっとしゅんとしてる!すっごい貴重な物を見ている気分だ。


「まずさっきの質問覚えてるか?」

「はい。戦闘中自分が足を滑らせて体勢を崩した所に相手が攻撃を仕掛けてきている状況です」

「おっけ。んじゃあそれの答えだが」


 ごくりと生唾を飲み込む。喉を通る音がやけに大きく聞こえた。


「死なない程度に被弾しつつカウンターを喰らわす!」

「・・・ゑ?」

「急所は避けてあえて攻撃を貰った上で反撃すんのが正解だって言ってんの!」

「ゑぇ・・・」

「そうすりゃ勝ちだ!」

「ゑぇぇ・・・」


 どうしよう。なんか伝説の人物がサイコパスその一が言いそうな事言いだしたんだけど。まさかこんな脳筋な答えが返ってくるなんて思わないじゃん!


「貴様ははしょりすぎだこのたわけ!」

「はぁ!?これ以上にわかりやすい伝え方なんかねぇだろ!これが答えだろ!」

「カイル様・・・すみませんがよくわかりませんでした」

「そらみたことか!バトンタッチだ」

「むぅ・・・」


 今度は勇者様がしゅんとしてる!ちょっと前から思ってたけどこの二人仲良すぎじゃない!?昔は殺し合いしてたんだよね?


「あー、つまりだ。小僧や昔の我らは己に都合が良い奇跡が起こる迄、機を伺い継戦に重きを置くという考えであった訳だ」

「その通りです」

「だがそれでは駄目だという事は先程のカイルの発言で汲み取れたか?」

「完全には飲み込めていませんが多少は・・・」

「よろしい。ではその上で続きを考えてみよ。小僧の答えを実行した先の戦いと我らの導き出した答えを実行した先の戦いをな」


 僕の考えた続きの戦い・・・


「まずよっぽどの大怪我を負っていない限り継戦は可能です。骨が折れる程度でしたら肉体強化でごまかして動けますし、回復魔法で少しずつ治癒も行います」

「で?」

「後は継戦しつつ隙を伺います。逆転できそうな状況がくれば攻めますし、これ以上は厳しいと思ったら撤退します」

「ふむ。これは小僧が云々というよりこの平和な世が原因だな」

「どういうことでしょうか?」

「まず前者の隙を伺いつつという考えだが、貴様随分と自分に有利な考え方しかしとらんな」

「え?」

「第一に前提が甘い。何故敵が負傷した貴様に合わせて継戦に付き合っておる?我であれば手傷を負わせた時点で此方の有利を確信してつかず離れず常に相手が視界に入るように立ち回るぞ。無論回復魔法等は使用させぬ様にな」

「あ・・・」


 言われてみればその通りだ。敵が都合よく此方に付き合ってくれる保証なんてどこにもない。回復魔法も使わせてもらえなければ僕の肉体強化が解けるまでじりじりしているだけで相手の勝ちだ。


「第二に考えが浅い。継戦が難しいと感じたその瞬間小僧の負けよ。相手が撤退するということはこれ以上手が無い事を示している。無論伏兵や増援等もあるが、実力が拮抗している相手から逃げるというのはかなり難しい。ましてや小僧は既に負傷していて不利な状況だ。・・・相手がそう易々やすやすと逃がしてくれると思うか?」


 ゾッとした。確かに撤退した先に援軍がいるとしても辿り着けなければ意味が無いし、捕まればそれで終わりなのは間違いない。

 今まで学んできたどんなことにもこの考えはなかった。

そもそも戦争という物を知っている子供はいない。知識としては知っているが勿論体験した事なんてあるわけがない。

 援軍も伏兵も、戦術も謀略も戦争時代の勉強で言葉と知識としてでしか知らなかった。

 たった今それら全てを使いこなし、そして己で戦っていた魔王様の口から伝えられると同時に事の重要さを理解し、背中に冷たい汗が流れた。


「フハハ!良い顔だ。どうやら理解したようだな」

「はい・・・。相手がどうしたいか、どう動くか、どう考えるかがどれだけ大事な事なのか知りませんでした」

「仕方あるまい。この平和な世では要らぬ考えなのであろう。人同士本気で争うことなぞ我らの時代だけで十分よ。小僧が悪いわけではない」

「おぉ~。やるじゃんマディラ。今のは俺もわかりやすかったわ」

「であろう?」


 ふふんと得意げな顔をする魔王様ちょっとほっこりするな。


「では我らの答えで考えてみよ」

「・・・結果次第ではありますが相手にもダメージを与えられますので、少なくとも先程の考えの先よりはその後の戦闘が楽になると思います」

「それだけではないぞ?」

「え?」

「確かに負傷はしよう。もしかしたら結構な深手を負うかもしれん。だが」

「もしかしたらそのカウンターで相手を倒せる可能性もあるだろ!そうでなくても相手に自分と同じくらいのダメージを与えれば一方的に不利になるって事はない!」

「ええい!我の台詞を盗るでないわたわけ!」


 勇者様の言う通りだ。僕の答えではどうあがいても不利になる結果しか待っていない。でも相手にも同じかそれ以上のダメージを与える事が出来るなら一気に此方が有利になる。『死なない程度に被弾しつつカウンターを喰らわす!』とはそういう事なんだ。


「ごほんっ!・・・このように己も負傷するが相手にはもっと大きなダメージを与える事をと言う」

「肉を切らせて骨を断つ・・・」

「左様。此方の腕、脚の肉などくれてやる。その代わり貴様の腕、脚の骨は頂くぞ。という意味だな」

「言葉しては有名な部類だけど実行するのは中々難しいわなぁ」

「まぁ極論を言ってしまえばという事だ。ジリジリと不利になっていく位ならいっそ相手も同じ土俵に引きずり込んでしまえば良い」

「死ななければ安い・・・」

「さて話は多少戻るが小僧。先程の復習と答えだ」

「あ、はい!」

「小僧が体勢を崩した事を好機と見た相手の頭の中は至極単純な事しか考えていない」

「チャンスだから僕を攻撃する事で考えが染まっているという訳ですね!」

「カッカッカ!やっぱ優秀だな坊主!」

「うむ!そのとおりだ!であればもう答えはわかるな?先程の話の内容と合わせると?」

「はい!その瞬間敵は僕に攻撃を与える事しか考えていないので此方の攻撃も通りやすいです!なんなら攻撃されるとすら思っていないから回避される可能性も薄いです!急所に喰らうのは避けつつその状態で出せる最高火力を叩き込みます!!」

「「百点満点!!」」


 身体がゾワゾワする。今まで考えたことも無かった知識が自分の物になっていくこの感覚。鳥肌が立つ。


「まぁオルドラ辺りの超近接戦一辺倒の奴なんかにはまだ通用しないだろうが」

「それでも同じ学園に通う子等に防げる者はおらんだろう」

「そりゃそうだ。同じ位のレベルの奴ならほぼ間違いなく喰らうだろうしな」

「ただし小僧!過信はするでないぞ。これは不意打ちの戦法故多用すればそれだけで警戒され通用しなくなる。ここぞという時のみの奥の手としておくのだ」

「はい!・・・え?不意打ちですか?」

「うん?どうしたそんな顔して」


 不意打ちは卑怯な戦法であり、戦闘においては正々堂々が何より尊ばれる。これもまた世界の常識。学園で不意打ちをしようものなら忽ち非難轟々間違いない。

 僕はその事を二人に伝えた。すると・・・


「ハッハッハッハッハ!」

「カッカッカッカッカ!」


 大爆笑である。なんで?


「あ~苦しい。カッカッカ!!ここまで来ると平和ってのもだな!」

「ククク・・・!あぁそうであるな。はぁ~しかしこんなに笑ったのは何時振りであろうか」

「確かにな!・・・なぁ坊主」


 しこたま大爆笑した後二人が僕を見る。真面目な顔をして。


「確かに人同士の本気の戦争命のやり取りが無い今の世の中では坊主の言う通りなんだろう。だがな?どんだけ綺麗事言おうが敗者には何も残らないんだ。」

「希に『敗けから学ぶこともある』とか『この敗北を糧にする』とか宣う奴がいるがそれは間違いだ」

「え・・でも確かに敗けから学べる事もありますよ?」


 主席の皆には一度も勝ったことは無いけれど立ち回りや戦略等、今後に活かせる事はたくさんあった。


「それは坊主が安全な所にいるからだ」

「うむ。一度ひとたび外に出たならば、本物の戦いに身を投じたならば敗北はそれすなわち死である」

「坊主は魔物との戦いで負けたらがあると思うか?」


 ある訳がない。今でも魔物討伐を生業にしているハンターが年に何人も亡くなったり行方不明になったりしている。


「・・・ありません」

「そう。魔物に敗けりゃ良くて食われて死ぬ。最悪繁殖の為の苗床にされてその時迄生き地獄を味わう事になる」

「我の配下にも魔物をナメてかかり死んでいった者が多々いたな」

「さっきの話覚えてるな?奇跡の話」

「はい」

「あれは何も俺らだけに限った話じゃない。魔物にも奇跡が起こる事は勿論ある」

「弱者が強者に真っ向から勝ちうる唯一の方法だ。その時に正々堂々とその攻撃を受けて小僧は素直に死ねるか?」

「・・・」


 言葉が出てこない。二人の言っている事は正論だ。今は平和だが今後どうなるかはわからない。魔物と戦う日が来るかもしれないし、考えたくはないが人と戦う時があるかもしれない。

 その時素直に死を受け入れられるかと聞かれれば答えは否だ。


「いざという時に己の命を守り敵を倒す為のすべだ」

「それを考えた時にこういう選択もあるってこった」

「死ぬよりは良いと?でも下手したらこの国に居場所が無くなってしまうかもしれません」

「その時は国を出りゃいいじゃねぇか!世界は広いぞ。坊主がまだ見た事も聞いた事も無い様な物が一杯ある!」

「で、でも僕がこの国を出たらお爺ちゃんとお婆ちゃんが・・・」

「安心せい。その時はハンター登録でもして余所から稼いだ金を実家に送金して貰えばいい。何も常に小僧が側にいなくてはならん程の歳ではあるまい」

「いやいや!お爺ちゃんとお婆ちゃんはもう70歳越えてますよ!?それに・・・」


 どうしても決心がつかず言い訳を探す僕を見下ろし、魔王様が優しい眼を向けながら嗜める様に言葉を投げる。


「人というのはを探す事にはすべからく天才性を発揮するものだ。だが我らが示すのは小僧が成長する道。その道を進むか否かは己で決めよ」

「ま、そうなるとあの主席連中にゃ勝てんとは思うがな」


 痛い所を突いてくる。僕がどうしても主席の座が欲しいとわかった上で抉ってきた。


「そもそもあの学園を運営してんのって俺のパーティメンバーと五天魔の連中だろ?そんな些細な事で兎や角言わねぇって」

「であるな。そんな狭量な奴らではないわ」

「本当ですかぁ?」

「おうよ!勇者様と魔王の仲間を信じろ!」

「五天魔は仲間では無く配下であるぞ」

「どーでもいいだろそこは!」


 最強二人のお墨付きである。それなら大丈夫・・・かな?


「・・・わかりました。やってみます!」

「おっしゃよく言った!これから俺らがした内容でビッシビシ鍛えてやるから覚悟しとけよ!」

「うむ。卑怯だ何だと言われたらこう言ってやれ。『卑怯ではない!マディラ師匠とカイル師匠より学んだ勝つための、生き残る為のだ!』とな!!」

「~~っよろしくおねがいしまぁっす!!!」


 


 今、此処に最強の師匠と万能な平民の弟子が誕生した。

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