2 聖女ノアのスペック
そんなわけですんなり異世界になじんだ
それもそのはず、周囲は乃愛を「
ここはオルビオン
神殿群の敷地内に住居があるのは一定の
加えて、住居には住みこみの聖女
「すごい~貴族のお姫さまみたい!こういう生活に憧れてたのよね~」
読書はもちろん、前世でハープの次にやってみたくてしかしお金がかかるために
しかし慣れてしまえばどうということもなく、しかも朝が早ければ終わりも早いので、その後の『好きなこと時間』がものすごく長く楽しめる。
前世では「早起きは
異世界転生して人生やり直してハッピーになりました――という理想的な生活をエンジョイしまくっていたのである。
おまけに乃愛は、17歳の超絶美少女に転生していた。
礼拝堂の中でも、皆、乃愛を振り返る。それは聖女だからというだけでなく、乃愛の容姿が男性を
いわば人生最高のモテ期。
聖女なので、異性とお付き合いできないのは残念だが。
そしてなんと、聖女は魔法が使えた。
魔法といっても風や火を
しかしこの魔法は大いに聖女ノアのイメージアップにつながっていたので、ノアは満足していた。
それに、前世では〇〇ファンタジーや××クエストや□□の伝説などのRPGをやりこんでいたので、自分が魔法を使えるということ自体にかなりなトキメキがある。
◇◇◇
そんな喜びに満ちあふれた生活の中でも、乃愛がいちばんうれしかったのは、ハープの件かもしれない。
この世界では楽器ができることが一つのアドバンテージとなっているらしく、特にハープーーこの世界では竪琴と呼ばれるがーーが弾けるのはオルビオン聖領において重宝された。
前世で死の直前までハープを習っていた身としては、感無量と言ってもいい。
竪琴は神殿での儀式から昔話の
ゆえに竪琴が弾ける者はいろんな場所に呼ばれる。
ましてや
乃愛は聖女のお勤めの合間に竪琴演奏へ引っぱりダコ。演奏先ではもはや神のように
「ハープ習っておいてよかったー」
前世、ハープ教室の先生にも
ハープよりピアノとかが弾けた方がカッコいい、と家族友人の誰もが興味も持ってくれなかったが、こんな形で
演奏を聞いて感動してくれるオルビオン聖領の人々を見るたびに、レッスン代と通った時間は無駄じゃなかった、と乃愛は小さくガッツポーズをしていた。
演奏会の場数を踏み、練習も重ね腕を上げ、オルビオン聖領きっての
「自分の
前世での体験談も
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