第2話
女子生徒と思われる悲鳴が聞こえたのは上の階の方からだった。
「はぁ、めんどくさ…」
階下へ向かう足を上に向かう階段に向ける
これから起こる事を想像するだけでめんどくさい、めんどくさいがしょうがない。
校内は静かだ、生徒はみんな次の授業のために教室に入り、教師を待っている。
階段は登るときはわざと足音を立てた。
3階を過ぎ去り、予想通り屋上につながる扉の前の半分倉庫になっている空間に彼らはいた。
足音を立てたおかげで彼らの視線はすでにこちらを捉えている。
2人の顔を僕は知らない、おそらく3年生かな。女子生徒の方は怯えた目、男子の方は警戒した目。
女子の制服には肩あたりに強めの皺が寄っている。
実を言うとこの時点で僕の目的は達している。だからこの後は蛇足、なるべくさっさと終わらせたい。
「もうチャイムが鳴りますよ、教室へ戻りませんか?」
「あ?お前誰だよ、関係ないんだから黙っとけよ。」
敬語だったからか、彼は僕を下に見て威圧してきた。こわいなぁ。
でも威圧する人ほど馬鹿って相場が決まってるもんだ。
「なんの関係もないから、この程度で済ませてるのわからないですか?」
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