第十五話 【天の警鐘】(ヘヴンアラーム)



「君はその親友を取り戻すために動いているの?」


「そうだ。俺は取り戻したい、そしてソウルアブソープを一発ぶん殴ってやりてぇ。」


少女は少し戸惑うが、微笑んでくすくすとわらった。


「君、おもしろいね。ソウルアブソープ。名前を知ってるってことは会ったことあるんだね。いいよ、教えてあげる。その代わり、君がソイツに会った時のことも教えてほしいな。」


少女は交換条件を提示した。俺は快く承諾する。


「いいぜ、そのくらいだったら、、、」


ドゴォオオオオ


遠くで砂埃が巻き上がる。


(あれ、マヴナの行った方向じゃねぇか?)

高い坂になっている道なので遠くの様子がよく見える。


「君のお友達。何かに襲われてるみたい。2つの剣とシスターが見える。」


少女は頭のイメージを口にしていく。


「君のお友達は追い詰められてるみたい。行かないの?」


(なんでそんなことが分かるんだ。)


俺は咄嗟に携帯に手をやるが、

(やべぇ、番号交換するの忘れた。)


「言ってあげなよ。今助けられるのは君だけだから。」


俺はその言葉に驚きつつも、ごく自然な質問を投げかける。


「なんでお前は、そのことを知ってるんだ?」


少女は躊躇いがちに


「あっ、ごめんね。いい忘れてたね。」と

釈明し、



「私は【天の警鐘】(ヘヴンアラーム) 。

身近に起こる悲劇を予測することができるの。」



そう少女は言った。


「そうだったんだな。ありがとう。わりぃが今はそれどころじゃねぇ。また会えるか?」


「うん。1日に1回夕方5時にここに来てるからきっと会えるよ。」


「分かった。約束は果たす。またな。」


そう言って、俺は少女と別れた。

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