第2話

 松山大学は松山城を改装した由緒ある大学だ。長谷部雅子は法学部生の若葉が好きだが、自分の容姿が醜いと思い告白できずにいる。7月18日の夜、雅子は整形をする。若葉は彼女を雅子と知らずに恋をする。整形後の雅子は皆藤愛子に似てる。

 これまで醜かったのは、醜いと思いこむ雅子の心のせいだった。


 7月20日、結婚間近の弁護士、笠間はあるパーティでことごとく未来を言い当てる手相見の矢来を知る。矢来は木梨憲武に似ている。自分も占ってもらうが教えられないという。それでも無理に訊き出すと、笠間がまもなく殺人を犯すと告げられる。笠間は不安に取り憑かれる。もうひとりの笠間が悩むよりいっそ誰かを殺せばいいとけしかける。笠間は余命いくばくもない老人に毒入りチョコレートを贈る。その老人が急死し、ほっとした笠間だが老人の死は病死だった。その老人とは増上寺だった。混乱した笠間は豪雨の松山市をさまよう。そこに矢来が通りかかる。笠間は矢来の首を締めて殺すが逮捕される。


 笠間の逮捕の瞬間を見ていた奇術師の桃太郎は最近悪夢に悩まされている。綱渡りの最中、客席に奇妙な耳飾りをした女を見て落下する夢だ。それが気になって綱渡りもできなくなる。呉に行く為に客船に乗船すると、夢に出てきた女そっくりの長谷部雅子と出会う。不思議な縁に導かれて、二人は愛し合う。しかし、桃太郎は別の悪夢を見る。雅子が警察に逮捕される夢だ。夢だったので何の罪は分からない。

 呉に到着し、2人は観光をする。

 地形的に天然の良港と言われ、古くは村上水軍の一派が根城にしており、明治時代以降は、帝国海軍・海上自衛隊の拠点となっている。


 第二次世界大戦中は、帝国海軍の拠点でもあった。2005年3月20日に周辺の安芸郡音戸町・倉橋町・蒲刈町、豊田郡安浦町・豊浜町・豊町を編入した。これによって呉市は本州にある地域と下蒲刈島、情島に加え、南の倉橋島、上蒲刈島、豊島、大崎下島を加えて人口25万人規模の市となった。2016年の中核市指定と同時に保健所政令市に指定された。


 造船・鉄鋼・パルプ・機械・金属などを中心とした臨海工業都市として発展している。また、大和ミュージアム・てつのくじら館など海軍・海上自衛隊に関する博物館がある。


 京都府舞鶴市と共に大日本帝国海軍由来の肉じゃが文化がある肉じゃが発祥の街を名乗っている。市内仁方地区のやすりの生産量は日本一。


アレイからすこじま(旧呉海軍工廠本部前)

入船山公園

入船山記念館(旧呉鎮守府司令長官官舎)

呉市立美術館

美術館通り - 日本の道100選

音戸の瀬戸

音戸の瀬戸公園(瀬戸内海国立公園)

海上自衛隊呉資料館(てつのくじら館)

海上自衛隊呉地方総監部庁舎(旧呉鎮守府庁舎)

海上保安資料館

亀山神社

 などを巡った。


 島谷ひとみや城みちるが呉出身だ。

 雅子はコンビニで肉まんを万引して逮捕される。

 2013年の松山市。硴塚龍臣は、父の名を取った『雷神らいじん財団』の名の下、合法的な組織を率いていた。『東北復興のための資金』との名目で行った多額の寄付が功を奏して勲され、同時に脇坂政府内の資金運営を掌る厚生労働大臣の蒲生(草刈正雄似)との関係を得る。そして、それをきっかけとして長年にわたって非合法ビジネスに関与してきた一族の活動から引退を決意するとともに、合法ビジネスへの全面的な転換を画策していた。


 その後、寄付の窓口的役割を果たした蒲生と、その関係者による横領で発生した莫大な損失金の穴埋めと引き換えに、政府と関係の深い投資会社『大門寺ストック』の株の25%の取得、そして同社の経営権の奪取への後援を得ることで、合法ビジネスへの路線変更を試みる。だが、龍臣の後継者は龍臣の息子の婆娑羅ばさらではなかった。婆娑羅はケイン・コスギに似ていた。

 桜は後妻だったのだ。

 婆娑羅は「優しい伯父」であった『パニーニ』の粛清がトラウマとなり、一貫してファミリーとそのビジネスを嫌悪し、大学を中退し演歌歌手への道を進もうとしていた。


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