「隣人を愛せ」と言いますが隣人が殺人鬼だった場合もあなたは愛せますか?

御厨カイト

「隣人を愛せ」と言いますが隣人が殺人鬼だった場合もあなたは愛せますか?


「今日のご飯も美味しいね。料理を食べる手が止まらないよ!」


「ハハッ、そう言ってもらえて嬉しいよ。まだお代わりはたくさんあるからね」



私は今日も彼が作る料理に舌鼓を打つ。

彼が作る料理はいつも美味しい。

だからいつも、ついつい食べ過ぎてしまう。



そんな私の姿を彼はいつもニコニコして見る。

今だって、優しい笑顔でお代わりのご飯をよそってくれている。



こんな優しい彼の姿を見て誰が思うだろうか。


彼が何人もの人を殺してきた「殺人鬼」だなんて……






********











「はぁー、疲れた」



そんな独り言が白い息と共に夜の闇に紛れていくそんな季節。



「彼」の姿を見たのは、残業を夜遅くまでやって、ヘロヘロでアパートに帰っている時だった。



いつも家への近道として路地裏の道を通って家に向かっていると、暗闇の中である人影が見えた。

私もこんな疲れて女性あるまじき顔をしているが女性なので少し気を付けながら通り過ぎようとする。



その人影と5mほどの距離になった時、向こう側が車道なだけあって、車のランプがこの路地裏を照らした。

その時私は見たのだ。


その人影が女性をナイフで刺して、その場から逃げようとしているのを。



私は殺人現場を見てしまったのだ。

ランプで照らされたのはほんの一瞬だったが、でもこの光景がすぐに目に焼き付いた。



そして、私の目にはもう一つ焼き付いているものがある。

それはこの殺人をした男の顔だ。

彼も多分こっちの存在に気づいたのだろう。

「ハッ」と驚いた顔をしていたのが鮮明に焼き付いている。





取り敢えず私は本能からかこの場から逃げなくてはと思った。

「警察に連絡」とかなどよりも私は逃げなくてはと思った。








********







それからどうやって家であるアパートに帰って、寝たのか覚えていない。

いつの間にかベッドの中で清々しい朝を迎えていた。



これからどうしようか……

仕事に行く気は沸いてこないというか、流石に行く気になれない。

一先ず体調不良という理由で会社を休んだ。



………昨日の夜見た光景がずっと目にも頭にも焼き付いてしまっている。

流石に夢であってほしいと思うが、昨日の私は別に酔ってもいなかった。

それにさっきカーテンから外を見た時、あの路地裏にパトカーがたくさん止まっているのが見えた。



……私は殺人現場を見てしまったのか。

それに犯人の顔も。

ドラマとかだと殺人現場を見てしまった人は凄く錯乱とかしてしまう描写があったりするが、現実でそれが我が身で起こると何故か変に冷静になる。



とても気持ちが悪いし、気分が悪いのは事実。

なんせ大量の血と死人の顔を見てしまったのだから。

それに「私が警察とかに連絡していれば被害者は助かっていたかもしれない」と後悔している自分がいる。

だけど「どうしよう」と冷静に考えている自分もいるのだ。



やはり、警察に行くべきか……

犯人の顔はこの目に焼き付いているから少しは協力できるだろう。

説明は色々大変だが、行かないよりはマシだ。



そうして私が警察に行こうと、準備をしている時。




ピンポーン!





突然玄関のチャイムが鳴った。


私はびっくりしながらも誰だろうと思って、「はーい」と言いながらドアを開ける。



「あ、どうも初めまして。先日から隣に引っ越してきた一ノ瀬と申します。これからよろしくお願いします!」


「!?」



ガタッ!




驚きで腰が抜けると言うが、まさかこのこととは……




顔は嫌というほど焼き付いているから間違えるわけがない。

この男、この男が昨夜見た殺人鬼だ。

まさか、昨日見た殺人鬼とまた会うことになるとは、それも隣人として。




「大丈夫ですか?」




男は心配そうに手を伸ばしてくれるが、自分で立つ。

流石にその手に掴まる勇気は私には無かった。



「大丈夫です。わ、私は七瀬って言います。こ、こちらこそよろしくお願いします」


「七瀬さん、よろしくお願いします」




しまった、名前を教えない方が良かったか。

で、でも表札で分かるから仕方がないか。



「それではこれから良い関係を築けるように頑張っていきますので、よしなに。それでは失礼いたします」


「あ、ご丁寧にありがとうございました」



そう言って、男いや、一ノ瀬さんは去っていった。



「………」



彼が去った後、幾許かの沈黙が流れた。

まさか、隣人が殺人鬼とは……



そもそもあちらは私の事に気づいているのだろうか。

私があの現場を見た目撃者という事に。



気づいていたとしたら……

背筋に悪寒が走る。

……流石にこれから警察に行こうという気は失せてしまった。

このまま警察に走った方が安全だとは思う。

でも今は恐怖の方が大きいのだ。




「怖い……」





私は玄関先で一人そう呟いた。








********







……結局昨日は何もできなかった。

いや、何も手につかなかったと言う方が良いか。



あの後、一ノ瀬さんが訪ねてくることは無かったがそれでも何だか外に出ることは気が引けたから1日中家の中にいた。

……怖かった。

「もしかしたら、私も……」と思うと何にもできなかった。



……今日も会社を休もう。

そう思って、会社に電話しようとした時、玄関のチャイムが鳴る。



誰だろう?

ネットで何か買った覚えもないから、配達屋さんでも無さそうだし……

まさか……




ガチャッ




「あ、どうもこんにちわ。隣の一ノ瀬です。実はお昼に肉じゃがを作ったのですが、作りすぎてしまいまして。それでよろしければ貰っていただけませんか?」



そう言って、一ノ瀬さんはタッパーを私に渡してくる。



あまりに急なことに思考が間に合わない。

隣人の殺人鬼が作りすぎて余ってしまった肉じゃがをタッパーに詰めて私に渡してくる…

……どういう事、これ?



意味が分からないし、正直に言うとやはり怖い。

でも貰わなかったら貰わなかったで何かされるかも。



そんな考えが頭をよぎった時、私はそのタッパーを受け取っていた。



「あ、あ、ありがたく、い、いただきます」


「ありがとうございます。それでは失礼します」



一ノ瀬さんは笑顔でそう言いながらドアを閉める。



……これどうしようか。

食べる?いやいや、流石に……

だからと言って、捨てるわけにも。



「うーん、どうしようか……」



やはり怖い

流石に彼もカメラとか仕込んでいないだろうから、私の行動は分からないだろう。



……捨てよう。

私は意を決して、その肉じゃがをゴミ箱の中に入れる。

タッパーに関しては明日にでも洗って返せばいい。

多分バレない。



でも、どうせすることも無いし、恐怖も変わらないのならここにいるしかない。

……今日も私は警察に行けずじまいだ。








********








一昨日と同じく、結局昨日もまた何もできなかった。

そろそろ会社に行こうにも怖い……

もう思い切って一週間ぐらい会社を休もうかな。



いや、流石に行かないと。

でも、その前に昨日のタッパーを返さなければ。



中々自分から彼の部屋に行くのは勇気がいる。

でも、これをずっと持っておくのも嫌。

……仕方が無いか。



私は一ノ瀬さんの部屋のドアの前に立つ。

だけども、中々チャイムが押せない。

指が震える。



このままでは埒が明かないと思った私は目を瞑って、「ええい、ままよ!」と押す。


ピンポーンと言う音が鳴り、「はぁーい」と言う声が聞こえ、ガチャッとドアが開く。






赤い







出てきた彼の姿を見た時、1番最初にそう思った。

全身が赤い。

それもトマトのような鮮やかな赤じゃなくて、まるで血のような黒い赤。



「あ、昨日のタッパーを返しに来てくださったんですね。ありがとうございます」



彼は自分がどういった格好をしているのか知らないのか、清々しい声でそう言う。



「な、な、何なんですか、その恰好?」



やっと思考が追い付いてきた時には、私はそう発していた。

彼は私がそう言うと分かっていたのか、すかさず返す。




「えっ?ただ人を殺していただけ、だけど?」





私は耳を疑った。

いや、彼の神経を疑った。



人を殺していただけ、だと?

まったくもって意味が分からない。

分かろうとも思わない。



「いや、あ、あなた何を言ってるんですか?」




噛みついてはダメだとは思うが聞かずにはいられない。

またもや、彼は私がそう聞いてくるのが分かっていたかのように、にやりと笑いながら、それでいてトーンは下げて。




「何って、七瀬さん、あなた、僕の正体知ってるでしょうに」



「………」




沈黙が流れる。



「あ、あなたは何を言って……」


「4日前の夜、そこの路地裏で僕のことを見たでしょう?あなたが見たそれが僕の正体ですよ」



微笑みながら彼はそう言う。

私には悪魔が笑っているかのように見えた。



「……殺人鬼なんですか?」


「まぁ、俗にいうそれですね。ただ殺しているわけではありませんが」


「………」



またしても、沈黙が流れる。



「あっ、そうだ。そこに突っ立ったままなら、僕の片付けを手伝っていただけませんか?」


「………えっ?」


「なぁに、ただ体を細切れにするだけの簡単な作業ですよ。女性でも出来ます」




ニコニコと笑いながら、おぞましいことを口にする彼。




「な、何を言って、そ、そんなことするわけないでしょ!」


「……ならどうするんですか?殺人の現場を見ておきながら、のうのうとこの場から立ち去れるとでも?」


「なっ……」


「そんなことさせるわけないでしょう。それとも、これから警察にでも駆け込みますか?いや、あなたに出来るわけが無い。何てったってこの2日、警察に連絡もしなかったのですからね」


「な、なんでそれを……」


「分かりますよ、あなたの行動なんて手に取るように。殺人鬼である僕を警戒して、警察に一切に連絡しなかった。ということは僕のことを認知したという事でしょう?それなら手伝う事も造作じゃないはず」


「あんた、ホントに何言って……」


「という事で、さぁ僕の手伝いをしてください。拒否権はありませんが」




人間とは思えない、真っ黒な目で真っすぐ見てくる。

怖い……動けない……




「さぁ、さぁ、さぁ!どうぞ入ってください!」



抵抗できないまま、私は彼と言う名の殺人鬼に背中を押されて、強制的に部屋に入れさせられる。






赤い







部屋も赤かった。

至る所がべったりとした赤に覆われている。

この時点で気持ち悪い。


それでも後ろの彼は背中を押す。

止まることを許されない。





赤い






部屋の中央で寝転がっている「何か」は赤かった。




それを見た瞬間、私は猛烈な吐き気に襲われた。

多分トイレであろう部屋へと走る。

良かった、トイレだ。

そして、そのまま吐き気をその便器の中へと流し込む。

ここ最近何も食っていなかったから、何も出てこない。

ただ黄色い液が出てくるだけ。



「はぁ、はぁ、はぁ……」と息を吐きながら、私は何とか落ち着く。

いや、落ち着けない。

さっきの部屋にあったのは「何だ」?



分からない、分かりたくもない。

何だったらこのトイレの中でじっとしていたい。




ドンドンドンドン!




「何をしているんですか?さっさと出て来て下さいよ。早く手伝ってくださいよ」



「………」



「……出てこなければ、あなたもさっきの子と同じ目に合わせますよ?ここには僕とあなたしかいないんですから」




ガチャ




「フフッ、良い子ですね。物分かりの良い子は僕は嫌いじゃありませんよ。さぁ、作業の説明をします」



そう言って、彼は私の「何か」の前に連れていく。



「さっきまでこの子の首を処理していたんですがどうにも手ごわくて、まだ時間が掛かりそうなんですよ。なのであなたにはこの手足の処理をお願いしたいんです」



嫌だ……




「簡単ですよ。このノコギリを使って切るだけですから。何ら心配することはありません。女性の腕力でも十分に切れますから」




怖い……




「何でしたら、お手本をお見せしましょうか。こういう風にノコギリを皮膚に当てて、ギコギコっと。ほらどうぞ?」




気持ち悪い……




「さぁ、このノコギリを両手で持って、腰をグンと据えて、さぁ切ってみて下さい」



腕を前後に動かす。



「おぉ、上手いですね。そうそうその調子です。それが切れたら、他のところもおねがいしますね。僕はこの首の処理をしていますので」


「………」




無心で動かす。

何も見れないし、何も感じない。

ただ腕を動かしているだけ。

ただ、それだけ。



私の足元を赤いものが染めていくけど、何も見ていない。

なんかゴトッと切れて落ちる音が聞こえたけど、何も聞いていない。


そして、次は別の場所で腕を動かすだけ。

それ以上でもそれ以下でもない。




ただ、それだけ。





ただ、ただ、それだけ……






「いやー、手伝っていただきありがとうございました!あなたのおかげで予定よりも早く終わりましたよ。またよろしくお願いします」




彼は玄関先で笑いながらそう言う。

笑えない。




私はペタペタと歩いて、自分の部屋へと戻る。

多分と言うか確実に私は酷い恰好をしている。

表面的にも精神的にも。



でも、もう動きたくない。

何にも、したくない。



だけど、彼は「また」と言った。

こんなことをまたさせられるのか……




「怖い…………」




私はまたそう呟いた。

でも、今回は恐怖だけじゃなかった。









********






いつの間にか眠っていたようで、目を開けたら朝だった。

このまま目覚めなければよかったのに……



そう思いながら、ノロノロと体を起こす。



体の節々が痛い。

慣れない動きをしたからだろうか。



会社は……行く気が湧かない。

でも行かないといけない。


でも外には出たくない。


一先ず食事をとろうにも冷蔵庫に何も入っていないことを忘れていた。

買い物に行かなくては。

でも外には出たくない。



そんなことを考えていたら、玄関のチャイムがピンポーンと鳴った。

だ、誰だろう……

いや、当てはまるのはただ一人。





ガチャッ






「あ、どうもおはようございます、七瀬さん。今日も僕の片付けの手伝いをしていただけませんか?」




彼はにやりと微笑んでそう言う。

もう私には悪魔がトドメを刺しに来ているようにしか見えなかった。








********





……それからどれだけの日にちが経っただろうか。

会社も無断欠勤が続いている。



来る日も来る日も彼の「片付け」のお手伝い。

逆によくこれだけ殺ってバレないもんだと感心してくる。



それでも、まだ私の「理性」は保っている。



気持ち悪い、怖い、嫌だ、逃げたい、そう思う事はあっても「自分」は見失っていない。

流石にそこまで失ってしまってはお終いだと思う。



だけども今日はなんだか様子が違った。




彼自身も部屋自体も赤くない。




そして部屋の真ん中には縛られて、ぐったりとしている一人の女性。



「あ、あの、い、一体これは……」


「そろそろあなたには次に進んでもらいたいなと思いまして」


「は、はぁ……」


「ですので、このアイスピックでこの女性を刺してください」


「!」




な、何を言っているんだこの男は。

わ、私に人を殺せと言っているのか……




「フフッ、ええそうですよ。僕はあなたにこの子を殺せと言っているんです」


「ど、どうして、どうして私がそんなことをしないといけないんですか……」


「どうしても何も、あなたには僕の完全なる助手になってもらいたいんですよ。僕がいなくても全部処理できるようにね」


「そ、それなら片付けの方でも良いじゃないですか。それなのにどうして……」


「まぁ、細かいことは気にせずに殺ってくださいよ」


「わ、私はひ、人をその、殺したことが無いのでわ、分かりません」


「大丈夫ですよ。そう言うと思って、心臓の位置にシールを貼っておきましたから。ほら、あそこにそのアイスピックを刺せば、一撃ですよ」




逃げ場がない。



「さぁ、ほら早く、早くしないとこの子起きてしまいますよ」




怖い……




「大丈夫です、ちゃんと縛っていますから動いたりしませんよ」




嫌だ……




「たった一回、一回刺すだけですから」




気持ち悪い……




「さぁ、さぁ、さぁ!早く、早く刺してください!」




大きな声で急かされ、私はこの女性の前に立つ。



「こ、怖い。む、無理です」


「大丈夫ですよ。ほら僕が支えておいてあげますから」


「で、ですが…………」


「……さっさとしないとあなたもこの子と同じ目に合わせますよ?」




低い声で彼はそう言う。




……それは嫌だ。

それだけは。



私は中途半端な覚悟を決めて、アイスピックを握る。



そして、寝ている彼女の胸元に一気にアイスピックを刺す。

だが、その刺そうとした一瞬、彼女と目があった気がした。



とてもおびえた目、それは多分私自身の目だろう。

私も今そんな目をしているだろう。

怖い、嫌だ、死にたくない、そんな想いが詰まった目。




「ごめんなさい………」





その一言を発してすぐになんとも気持ち悪い感触が私の両手に流れてくる。

その時、その瞬間、私は私の中の「何か」も一緒に殺した気がした。










********








私は変わった。

いや、おかしくなったと言うべきか。



彼との片付けももうなんとも思わなくなったし、「処理」に関してももう彼の手が無くても出来るようになった。

何だったら楽しいと思うように。


今までのあの気持ちは何だったんだろうか……



会社にもちゃんと行くようになった。

無断欠勤していた件は凄く怒られたし、減給にもなったけど別に良かった。




というか今までのことは全て良い事のように思えた。

なぜなら、それらが彼と住むための布石だったのだから。




今私は彼と一緒に住んでいる。

彼と行動を共にして、彼のことを好きになったからだ。

いつも行動を共にする彼はイケメンだし、力も強いし、何より優しい。

こんな彼を今まで怖いと思っていた私はおかしいのだろう。




今も目の前にいる彼を見ながら、そんなことを思う。



「うん?僕の顔になんかついているかい?」


「うぅん、ただカッコ良い君に見惚れてただけ」


「……まったく、何が君をこんなにさせたんだか」



そう言いながらも彼はにやりと笑う。




「そうだ、今日もまた僕の手伝いをしてくれるかい?」


「何を当たり前のことを聞いてるの?」


「フフッ、そうだったね。君には愚問だったな。それじゃあ行こうか」


「えぇ、今日はどんな子かしら」


「それはこれからの楽しみさ」





そうして私たちは共に夜の闇に紛れていくのだった。








********





いったい彼と一緒に過ごすようになってどれくらいが経っただろうか。

彼との日々は楽しい。



仕事がお休みの日はいつも彼の手伝いをしている。

明日のお休みはどんな子と出会えるのか楽しみだ。



私はそんなことを考えながら帰路に就く。




ガチャッ




「ふぅー、ただいま」


「お帰り、今日もお疲れ様」




彼はいつも通り笑顔で出迎えてくれる。

でも今日はなんだか様子がおかしい。











……ねぇ、どうして包丁を私に向けているの?

















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