第5話 くまのプーさん
オカンの首の後ろには縫い目がある。
とうとう縫いぐるみ風情に成り下がってしまった。
その上、手術をするときに髪が邪魔になるからと、襟足から10cmほどをバリカンで刈り上げられ、サザエさんちのワカメちゃんヘアーに。
入院中も欠かせない透析に向かう車椅子の上から声がした。
「髪を刈り上げるスタイルが今流行っていますよ」
若い男性看護師に慰められ気をよくしたオカン。
「じゃあ、ピアスしてタトゥーも入れちゃう」
「そこまでしなくても」
看護師君が慌てて止める。
頸椎症性脊髄症の手術は首の後ろを切り開いて、骨を切ってその間に別の骨を移植するというえげつないものだった。
2週間の入院予定を9日で切り上げて我が家に戻った。
今回の手術後はかなり痛かった。
でも、どこにいても痛いものは痛い。
甘くない家族のもとに戻ったほうがリハビリが早く進む。
くまのプーさんはお尻からはみ出した綿を戻し入れ、針でチクチクと縫っては「オ
ウ」と言う。
オカンも家事をする合間「オウ」と叫んでいる。
この『くまのプーさん』はだいぶ以前に投稿して、一部の方に読んで戴いただけで作品の隙間に埋もれていました。やっと日の目を見る事が出来ました。
首の骨が圧迫して髄液が漏れて、神経に当たっていたらしく、そりゃあ痛いはずだ。
確か米倉涼子も同じ病気だったような気が……。ウフッ。
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