閑話 動画審査通過者決定会議

「慧人さん、社長は?」「九条さんが全力で止めてるはず。」「あの人を止めてくれてるとか九条さん様様だよねぇ。」「あのハイスペック野郎じゃなかった。あのハイスペック社長を言いくるめるとか舌戦つよつよじゃん。」「九条さんを強行突破して会議室に突撃してくる前に会議終わらせるぞー。」「へいへ〜い。さて、始めますか。」こうしてゆる〜く始まった会議は始まってそうそう、社長のお嬢さんの話になった……

「単刀直入に言いますけど、社長のお嬢さんの自己PR動画見てどう思った?」「ぶっちゃけ引いた。」「引いたは酷いって〜まぁ俺もなんだけど。」「あれはやばいよね。1人でアニメ1本アテレコとか正気の沙汰じゃないもん。」「あれほどの才能をウチに入れないという選択肢はないよね。あのクオリティで他にも色々出来るとか凄すぎる……」「もう動画審査通過だけじゃなくて採用で良くない?」「建前は大事だからそれはダメだって。」「そうだよ。社長のお嬢さんという立場上それは縁故採用だと思われる可能性もあるしね。」

  「じゃあ他の通過者を誰にするか決めるか。」「そうするか。」「お嬢さんの所為で他が霞んで見えたやつ挙手。」「うっ」「……」「は、はい。」「それはまぁ……」「まぁ仕事だし、ちゃちゃっと済ませちゃいますか〜。」「「「「だね。」」」」


 「終わった〜。社長の突撃もなかったし、会議は何事もなく終わって良かった良かった。九条さんが上手くやってくれたみたいだね。」「九条さんが可哀想な気がしてきたんだけど……」「まぁあの人の相手とかめんどくさそうだしね。九条さんに優しくしよ。」「じゃあ社長ハブってご飯食べに行きません?」「社長が泣きますよ。」「あの人は家で奥さんの料理食べるだろうし、問題ないだろうよ。」「ならいっか。」「この話はまた後でするとして、かいさーん。」「さて仕事に戻るとしますか。」「あのPR動画もう1回みんなで見ません?戻ったら社長に絡まれるだろうし。」

 「「「「異議な〜し!」」」」

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