第6話 初夏
土手の一本の露草が、
初夏のまばゆい太陽に照らされて
一滴の雨雫を落とした。
虫たちの鳴き声をそよ風が遮り、草のしなり擦れる音のみ、時は上辺を流れていく。
一匹のコオロギが、露草の一滴をじっと見つめていた。
もう一滴。
雨雫は下草に、大地に消えていく、その様を。
一瞬、影に覆われ、コオロギは天に掴まれた。
もし我らの目的が生きることなら、
いずれ雨雫と落ちて消えるだろう。
粋。〜暇人による詩集〜 ライリー @RR_Spade2
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。粋。〜暇人による詩集〜の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます