5話

スイレン「で、どうする。宿屋1軒しかないんだと。」

シオン「しかも埋まってるかもしれないと。」

スイレン「そうそう。」

カエデ「・・・・・・路頭に迷うしかないじゃん!」

ミズキ「ここ騎士団があるからそれの入団者が定住してるし、ここに来る奴らなんてほぼいないから宿屋が1軒しかないらしい。」

スイレン「なんだそのよくわからん理由は!面倒くさいな!?」

??「ねぇ、貴方たち。」

四人「はい?」

??「泊まるところないの?」

??「うち来る?」

四人「へ?」

――――――

スイレン「本当にありがとうございます!京子さん、輝莉さん!」

キョウコ「いいえ。私たちはやりたいことをやったまでよ。」

この獣人さんは三島京子さん。ユキヒョウの獣人で、能力は凍結らしい。

キラリ「ここに来る人は少なからず人間の驚異にさらされた子たちが多いから。」

もう一人のこの獣人さんは大下輝莉さん。黒猫の獣人で、能力は隠密。

ミズキ「いえ、あのままでしたら僕らは凍死してたかもしれません。」

そう、元の世界は春下旬頃だったのだが、こちらではまだ冬真っ最中なのだ。

キラリ「まぁ、そこの狐の獣人の詩音はともかく、吸血鬼の睡蓮にエルフの花楓、蛇の獣人の瑞紀は確実に死んでたかもね。」

カエデ「怖いこと言わないで下さい!」

スイレン「あぁ・・・・・・蛇は変温動物ですから寒さに弱いんですっけ。」

キョウコ「そう。だから瑞紀くんは暖かい格好をしないとね。まあ、それは明日にするとして・・・・・・今日はもう寝なさい。明日、家と服を買いに行くわよ!」

四人「はーい。」

次の日・・・・・・

四人「おはようございまーす!」

キョウコ「はい、おはよう。朝ごはん食べたら買い物行くわよ!」

キラリ「よくこんな朝早くから出掛ける気になるよね。」

スイレン「・・・・・・私も家でぬくぬくしていたいですが、ここは京子さんたちの家ですから。早くマイホームを見つけてぬくぬくするんです。」

キラリ「・・・・・・あっ、家ならあれあげる。元は私の叔母のものだったけど、今はもう叔母も居ないし、処分にも困ってたから。」

スイレン「だって、どうする?じゃ、賛否取るよ〜」

三人「賛成で。」

スイレン「はーい、了解。輝莉さん、賛成が取れたので、その家僕らが使ってもいいですか?」

キラリ「うん、いいよ。家具はもうないし、家の中空っぽだけどいいの?」

スイレン「いいですよ?僕らには秘技がありますので。」

キラリ「秘技?」

スイレン「まぁ、心配しなくても大丈夫ですよってことです。じゃあ、二手に別れるか。俺が家担当は確定だな。あ、花楓もか。考える必要がなかった。」

ミズキ「今頃気付きましたか。」

シオン「だが、睡蓮たちの服はどうするんだ?」

カエデ「女子の買い物は凄いことになるから後日クローゼットができてからだよ。」

スイレン「そうだね。まぁ、私はそんなには買わないが。」

ミズキ「あ、でも荷物はどうするんですか?京子さん。」

キョウコ「マジックバックって言って、空間収納できる鞄があるの。それに入れて持ち帰るのよ。」

シオン「じゃあ、男組は買い物に行くか!」

スイレン「いってらー」

ギィィ、バタンッ!

キラリ「それじゃあ、私たちも行こうか。」

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