登場人物・用語説明

【メインキャラクター】

・ジェル Jel

非常食 女性 17歳

魔法学校に通う魔法使いの少女。

負けず嫌いで常に喧嘩腰。自分の能力が高いことを自覚しており、無能な他者を見下す傾向がある。口が悪く協調性が低い。しかしその実力は確かなもので、魔法の精度も高く、人よりも数倍努力家である。努力する天才。きつい性格からか、学校に友達はいない。

実家は「帽子屋」であり、昔から魔法道具を作っていた。帽子の魔法道具には様々な種類があり、身体強度上昇、防御結界、少しだけ料理が得意になるなどその用途は多岐にわたる。

ジェルの一家で魔力を持つのはジェルだけであり、彼女が生まれる前は知人の魔法使いに頼んで帽子に魔力を込めていたが、今では帽子に魔力を込めるのはジェルの仕事になっている。ただし、魔法学校に進学してからは寮に住んでいるため、たまの帰省のタイミングで家業を手伝うこともあるが、普段はまた別の魔法使いに頼んでいるらしい。


・ウノ Uno

魔物 性別不詳 年齢不詳

100年の封印から解かれた魔物。かつては「アンノウン」呼ばれていた。

面倒臭がりで堕落的な性格。ほぼ全ての攻撃がきかないいわゆるチート的な存在だが、自分を封印したブローには頭が上がらない。見た目は「黒煙」「黒い液体」と表現されるように、流動的で掴めない身体をしている。青と赤の目が縦並びについており、流動的な身体の上をぎょろぎょろと移動する。

人間の生活に精通しており、魔法道具を使いこなすことも出来る。魔物としては異様な存在。自分の出生や『オリジナル』については忘れてしまっているのか何も話さない。いつもどこか俯瞰したようなもの言いをする。口が悪いため、ジェルと常に口喧嘩をしているが、本気を出せばすぐに食えてしまうことは確からしい。


・シェム Shem

大魔法使いの弟子 男性 16?歳

大魔法使い、ブローの元で修行を続ける魔法使いの少年。

気弱でよく泣き言をいう。自分の能力を上手く制御することができず、魔法を使うのが得意ではない。しかし協調性は高く、友人や知り合いを多く持つことの出来る器量をもつ。今は修行を続けるため、深く人と関わることは避けている模様。出生に謎があり、幼い頃からブローの手によって育てられてきたが、彼の子供ではない。

魔法学校に憧れがあり、いつか通いたいと考えているが、その夢を諦めている。自分の魔法を制御出来ずに他人を傷つけてしまうことを恐れ、普段はなるべく魔法を使わず魔法道具に頼って生活している。魔物や動植物を「コウモリさん」「あの子たち」と呼ぶなど、自分たちと対等な存在として扱っている。


・ブロー blo

大魔法使い 男性 年齢不詳

大魔法使いの老人。アンノウンを封印した張本人であり、世界樹の守り手。

気のいい愉快なおじいちゃん。少しおちゃめなところがあり、歳のせいか色々なことをすぐに忘れてしまう。魔法使いとしては右に出るものがいないような実力を誇り、淡々と冷静な判断を下す。

長い間生き続けているらしく、100年前には既に「ジジイ」と呼ばれる風貌だったらしい。幼い魔法使いのシェムを育てるかたわら、弟子として修行をさせている。割と奔放で自由な教育をしているように見えるが、その実常にどこにいて何をしているか把握しており、かなり過保護なところがある。


【世界観】

空から雨が失われ、海が干上がってしまった小さな星。代わりに全世界に広がる「世界樹」が水と光を絶えず供給する。


・世界樹

世界樹は全世界を枝葉でおおっており、その広さと同じだけ全世界に根を張っている。ただし、世界樹の枝葉も根も届かない場所は砂漠になっており、生き物の住めない死の世界と化している。

かつて海が干上がったころ、とある最初の魔法使いによって、「植物」の性質が「水と光を生み出す」ものに変わってから存在し続けている。最近は枯れ始めてきており、完全に枯れるまでに再生する方法を模索されている。


・魔法

物体の性質を根本から変えるもの。

そのメカニズムは常に研究されているが、未だに分からない部分が多い。正しく使わなければ動植物が「魔物」になってしまったり、取り返しのつかない性質変化を起こしてしまう。完全な不可逆変化では無いが、元の性質に戻す魔法は性質を変える魔法よりもかなり難しい。


・魔力

10人に1人の人間が持って生まれてくるもの。魔力を持つ人間は物質に魔力を込めることでその性質を変化させることができる。魔力を持つ人間は「魔法使い」と呼ばれ、魔法学校で育成される他、強力な力を持つ魔法使いを師として育てられることもある。

過去には差別問題や魔法の悪用など様々な問題が起こったが、今現在はある程度差別も是正され平和な世の中になっている。


・魔物

魔法により性質を変えられた動植物達が暴走した姿。

元となった動植物を『オリジナル』と呼ぶこともある。

多くは過去の先人達に封印され眠り続けているが、いつ目を覚ますかも分からない魔物から身を守るために研究が続けられている。

ある程度無害なものは封印されず森の中でひっそりと暮らしている。大人しい魔物に攻撃をすることはあまり推奨されたことではない。

魔物を完全討伐するためには、魔法で元の性質に戻す必要がある。


・植物の光

魔力を内包する「光」。太陽光や電気の光とは違い、魔力と同等のものとして扱うことが出来る。人間の持つ魔力との差は微々たるもので、専門家以外にはほとんど区別がつかない。昼間は植物同士で光を乱反射しているのか、世界樹を中心としてほのかに輝きを纏っている。夜になると世界樹の輝きも抑えられ、その光は微弱なものになる。これを「植物が眠っている」と表現する者もいる。世界樹に近ければ近いほどその光は強くなる。

なお、利用できるほど強い光は世界樹か、世界樹の森の植物のうち一部のみであり、空から世界樹の枝葉が振り落ちてきた時に光に変わるものを採取して利用することが多い。

ちなみに食べられる。はちみつに似た甘さがあるらしい。強い光ほど密度が高くて美味しい。


【おまけ】

これまでに登場した魔法道具等について


・白いリボンのついた帽子

実は魔法道具である。身体を身軽にする能力が付与されている。


・『アンノウンの欠片』

ウノの身体の一部が収められた水晶の総称。全世界にバラバラに保存されているらしく、元の体に戻ろうと暴れている。欠片自体に自我はなく、ウノ自身はあまり欠片に執着がない。

ジェルが持っていた欠片は未だにしずくの水晶の中に収められ、ジェルの手元に残されている。


・召喚の契約書

大中小、様々なものが存在し、契約書に真名が書かれた者はその契約書が燃やされた時に燃やされた場所に召喚される。

書かれた名は契約書に染み込むため確認することができない。そのため誰がどの契約書に書かれているのか把握しておく必要があり、少し使い勝手の悪い魔法道具である。

込められた魔力に比例して召喚時間や実体を召喚できるかが決まる。大体のものは実体は召喚できず、霊体(意識体)を召喚することになる。この時元の体である実体は眠ったようになる。


・カザミドリ

見た目はあの「風見鶏」が小さく手のひらサイズになったものである。似たようなアイテムに『カザグルマ』が存在する。

伝えたい言葉をカザミドリに伝えて空に放つことで、本物の鶏の姿に変わり該当する相手の元に飛んでいってくれる。しかし相手のいる場所が明確でなかったり、指定した場所に相手がいなかった場合は迷子になって戻ってきてしまう。

ちなみに空を飛ぶといえど、その姿は鶏のため空を走ると言った方が正しい。

相手の元にたどり着くと、元の置物のような姿に戻り、相手が気づける位置でカラカラと回転を続ける。相手が気づき次第伝言を叫んで伝えてくれる。

カザミドリは複数回使用可能。

鶏の性質を変えたアイテムである。


・光の鳥籠

ジェルがウノに対して最後にはなったあの道具である。

使っていない時は白い球場の置物だが、魔力を込めることで光の檻となり相手を閉じ込める。込められた魔力に比例して強度や大きさが変化し、より強い檻となる。ただし捕らえる相手の力の方が強ければ光は爆発し霧散してしまう。

かなり強力なアイテムであり、一度しか使えない。


・レディバグの穴

複数の穴が合体するように広がってワープ空間を作る穴。レディバグはてんとう虫のことであり、穴ではない時はそのまま虫の姿をしている。てんとう虫の羽に着いている星の数が開く穴の数に対応しており、よく使われているものは「2つ星」「3つ星」であり、それ以上のものはなかなか見られない。

特に「7つ星」のレディバグの穴は世界中に数える程しかないと言う。

どこにでもワープできるのではなく、最初に指定されたある特定の場所のみに繋がる。そのためいくつかは街等を繋ぐ駅のような存在として常に穴の姿をしている。ただし長年使い続けていればレディバグの寿命とともに穴が塞がってしまい、使えなくなってしまう。

100年前までは『アブラムシ』を穴に落とす(=食べさせる)ことで穴の延命をはかることができたらしいが、今は『アブラムシ』は希少種であり存在自体知るものが少ない。

世界のどこかに望む場所へワープすることの出来るレディバグの穴が存在するらしいが、今のところただの伝承である。

星の数が多ければ良いということでもなく、例えば28つの星を持つレディバグは魔物となって封印されている。

レディバグ、てんとう虫の性質を変えたアイテムである。


・朝鳥

朝にのみ出現する鳥。丸焼きにすると美味しい。

どうやら鶏の性質が変わった魔物らしい。

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