2ページ目
【12月20日、デパート前、くもり】
今日は、母を仕事場に車で送る。夕食の時は、父と母と一緒に食べる。その時に、父と母の仕事場での話を聞くことが多い。母の仕事は、デパートの食品売り場にあるレジやサービスカウンターのパートである。デパートの食品売り場だけあって、様々なお客が来るようだ。レジで待ち時間が長くて文句を言う客、丁寧さを求める客、予想外の事を聞いてくる客などだ。これらのお客様の対応をする事が母の仕事である。母はこの仕事を始めて12年のベテランなので、大体上手く対応できる。一方で、同じ職場の新人社員は対応が上手くできない時があるらしい。この時、母を含むベテランに仕事が回って来るのだ。他にも、時期ごとの催しに関係する新しい対応が求められたり、仕事のシフトで出勤時間が変動したり、ストレスが多い職場のようだ。それでも、帰宅すれば美味しい料理を作ってくれて感謝である。さらに、朝になれば、仕度を整え、職場に向かう。当然のことのようで、しんどいことをやってのける凄さがあると見ていて思う。デパート前に着く。母がはー、とため息をつく。しんどいんだろうけど、何か言うのも変な気がするし、と考える。気づくと、辺りはうなだれる人々が溢れる。一応持ってきた謎のアイテムを使う。アククウカンに移動する。特大のコアクマが武器を投げてくる。横に飛んで躱す。コアクマが武器を投げてくる。横に飛んで躱す。何度も鬱陶しい、と思う。地面に突いた手から光線が地面から噴き出しコアクマを貫く。辺りが元に戻る。気が楽になる。母を見て、頑張って、という。行ってくる、と母が車から出ていく。家に戻る途中、リーが現れる。「また新技を出してたね。キミ、天才?そうだな…“グランドピラー”って良くない?」グッドポーズをする。夕食を終え、自分の部屋に行く。日記を開ける。『今日は、母を仕事場に送った。今日も大変そうだった。何がともあれ、一日が無事に終わって、布団で寝れることはこれ以上ない至福の時だ。さあ、寝よう』日記を閉じる。
【12月21日、デパート、くもり時々晴れ】
今日は、母を仕事場に車で送る。昨日と今日で母は連勤なのである。連勤という言葉は、人のテンションを下げる力がある。それに対抗してテンションを上げることは容易な事ではない。好きなゲームをしたり、好きな動画を見たり、好きな事をして、何とかしてテンションを上げなくてはならない。とにかく現実に立ち向かう為には、テンションを上げる必要がある。テンションを上げるものは、人によって様々だろう。プラモデルを作ることかもしれないし、料理をすることかもしれないし、勉強することかもしれないし、小説を書くことかもしれない。その中でも、ぶつかる壁がある。プラモデルを作ることの場合、完成した後色をどのように塗るかである。料理をすることの場合、毎日作る献立を決めることである。勉強することの場合、難しい問題の解き方が分からないことである。小説を書くことの場合、書き進めてきた物語を締めくくる結末をどのようにするかである。どうしようか。その頃、デパートでお客と新人社員が口論になっている。謎のアイテムを取り出し、アククウカンに移動する母。高速で動き回るコアクマの攻撃を軽やかな跳躍で躱す。目にも止まらぬ速さで回転して発生した風の刃がコアクマを切り裂く。お客と新人社員がお互いに謝り場が鎮まる。母が新人社員に言葉をかける。リーが呟く。「あの人もやるな。あの技は“ボディウィンド”と名付けよう」とりあえず書いてみようか。気づくともう夕方になっている。あれ?今日はコアクマとの戦闘がないぞ。母が帰宅する。今日も疲れた、と言って夕食の支度を始める。その時、母の鞄の中に謎のアイテムが見えた気がした。気になり、見ようとしたら、父が帰宅する。父と会話になり、見ることができない。夕食を終え、自分の部屋に行く。日記を開ける。『今日は、母を仕事場に送った。最近、毎日会っていたリーにも会わなかったし、母の鞄の中に見えたあれは、やっぱりあれじゃないのか。もやもやする。こういう時は、早く寝よう』日記を閉じる。
【12月22日、神社、雪】
今日は、目の前にリーがいる。昨日いなかった事について尋ねる。「まあ、正直に言うと戦えるのはキミ1人じゃないということだ」驚く。そこで、母の鞄の中に見えたあれを思い出す。単刀直入に尋ねる。「気づいた?そうだよ。キミのお母さんもボクが力を与えたから戦えるんだ」とりあえずもやもやが解消された。リーを見ると、何か考えている様子だ。「ちょっと今日は一緒に行動してくれる?」頷く。仕度を整え、外へ出る。リーについていきながら考える。リーに会った時の事だ。急に現れて、空気を悪くするとかいうコアクマと戦うことになった。不思議な力を与えられたから難なく倒せているけど、普通に考えて怖いことになっている。一体コアクマって何だ。怖すぎる。リーも妖精と言っているけど、本当にそうなのか怪しい。第一、戦う代わりに運気がアップすると言っていたけど、運気が上がっている気が全くしない。あれ?リーがいない。後ろを見ると、リーが慌てて飛んでくる。「ちょっと来て!泥棒だ!」驚く。「とにかく来て!」リーについていくと、スーツを着たサラリーマンの男性が歩いている。「あの人だ!」普通の人に見えるけど、仕方なく尋ねる。否定するサラリーマンの男性。「嘘ついても無駄だぞ!この人が財布を盗むのを見た!」一応鞄の中を確認してもらう。驚くサラリーマンの男性。見知らぬ財布があるようだ。「早く持ち主に届けよう」リーについていくと、主婦の女性が歩いている。「この人の鞄から盗ったんだ」財布を渡す。女性はとても感謝してくれた。お礼に買い過ぎたというネギを頂いた。「良かったね。やっぱり運勢が上がっているみたいだ」果たしてこれを運勢が上がっていると言っていいのか。どう見ても男性は混乱していたし、泥棒とは思えなかった。じゃあ、どうして財布が女性の鞄から男性の鞄に移ったのか。考えていると、神社に着く。「あ!コアクマだ!」見ると、神社の後ろに特大のコアクマがいる。謎のアイテムを使い、アククウカンに移動する。“グラスブーメラン”を躱したコアクマが着地する。それに合わせて“グランドピラー”を放ち、消滅するコアクマ。「はや!つ、強くなったね。それより、見て」そこの神社は、不定期に祠を開放する。いつ開放されるか全くわからないので、祠を見れると、運が良いという噂だ。「これを見れたら運がいいんだろう?キミ、運勢が確かに上がっているね。良かった、良かった。日も暮れてきた。さあ、家に帰ろう」巫女が来て不思議そうに祠を見ている。家に帰り、ネギを母に渡す。ちょうど欲しかったらしく喜んだ。夕食にネギ入りの鍋が出た。夕食を終え、自分の部屋に行く。日記を開ける。『今日は、リーについて神社に行った。今日は不思議な事が二度も起きた。泥棒を捕まえられたり、神社の祠を見られたりした。でも、何だかリーの様子がおかしかった。何か隠してるのかもしれない』日記を閉じる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます