第18話 上書き
彩乃とソファの上で何回も愛し合った。結局、彩乃が買ってきた0.01mmの薄いアレは活躍しなかったよ。
チラッと横を見ると、全てを曝け出した彩乃がいた。色んなところが丸見えだ。じっと彼女の身体を見ていると、彩乃の顔がカッと赤くなる。
「も、もうそんなに見ないでよ……恥ずかしいじゃん」
「いいじゃん、もっと見せてよ」
「し、仕方ないなぁ……特別だよ?」
「サンキュー」
俺はじろじろと彩乃の身体を見る。
シミ一つない綺麗な肌。豊満な胸とくびれた腰。白桃のようなお尻と雪のような白い太もも。
本当に綺麗な身体だなぁ。
ずっと彩乃の身体を凝視していると、彼女はモジモジと身をよじる。
恥ずかしいんだろう。
チラッと横を見ると、薄いアレが視界に入る。
「彩乃、あれってどこで買ったんだ?」
「近くのコンビニで買ったんだ。凄く恥ずかしかったんだよ……?」
「はは、そうか。まぁ結局使わなかったけどなぁ」
「一個も使わなかったよね……」
彩乃の顔は更に赤くなる。
「本当に生で良かったのか?」
「うんっ、雄太だったらいいよ。……アタシも雄太と生でするの好きだしね」
「はは、彩乃はエッチだなぁ」
「エッチな子は嫌い?」
「ううん、大好きだよ」
◇◇◇
彩乃が帰ったあと、俺は家を出て目的地に向かう。
目的地は駅の広場だ。しばらくして駅の広場に到着した。
左右に首を動かすと私服姿の真奈美がいた。
もう冬だというのに、真奈美は胸元が開いた露出度の高い服を着ていた。
ミニスカートから伸びる太ももは本当に美しくて、ドキドキが加速する。
凄い格好だなぁ。寒くないのかな……?
なんてことを思っていると、真奈美が俺に気づいた。
俺の顔を見て、彼女はピカピカと目を輝かせる。
「雄太くんっ! おはよう!」
「うん、おはよう、真奈美」
真奈美がギュッと抱きしめてきた。俺も彼女の背中に手を回して抱き返す。
突如、真奈美がクンクンと俺の身体を嗅ぎ始める。
「あれ……? 女の匂いがする」
「え? 女の匂い?」
「うんっ、なんか雄太くんの身体から女の匂いがするよ……」
「き、気のせいだろ……」
「違う、違うっ、違うっ、違うっ、違うっ。気のせいじゃないよっ……」
真奈美の瞳は真っ暗に染まる。表情は冷たくなっていた。
「ねぇ雄太くんっ、今日彩乃ちゃんと会った?」
「っ……」
真奈美の言葉に俺は声にもならない声を上げる。
不味い、動揺してしまった。
動揺している俺を見て、真奈美は眉を顰める。
「ふーん、彩乃ちゃんと会ってたんだ」
「ご、ごめん……」
正直に謝ると、真奈美は「はぁ……」とため息を吐く。
「雄太くんは本当にクズだね。最低すぎるよ」
「……」
「まぁ私は凄く優しい女の子だから特別に許してあげるよ」
「え? マジで? 許してくれるの?」
「うんっ、特別に許してあげる」
相変わらず、真奈美は俺に甘いなぁ……。
真奈美が優しすぎてどんどんダメ男になっちゃうよ。
まぁもともと俺はダメ男だけど……。
なんで彩乃と真奈美は俺みたいなダメ男のこと好きになってくれたんだろうなぁ。
本当に謎だ。まぁなんでもいいか。
「ねぇ雄太くん、今日彩乃ちゃんと会ってたんだよね?」
「ま、まぁな……」
「彩乃ちゃんとキスした?」
「うん、した……」
俺がそう言うと、真奈美はムッとした表情になる。
「ふーん、彩乃ちゃんとキスしたんだっ……エッチはしてないよね?」
「悪い……エッチもした」
「エッチまでしたんだっ……じゃあ上書きしないとね」
真奈美はそう言って、ちょっと強引に俺の唇を奪ってきた。
真奈美は俺の首に腕を回して、舌を入れてきた。
真奈美とのキスが気持ち良くて頭の中がクラクラしてくる。
理性が希薄して、ジワジワと身体の一部が熱を帯びる。
ヤバいっ、理性が……。
「雄太くんは最低な男だけど……私は大好きだよ」
「俺も真奈美のこと好きだよ」
「ほんと? 彩乃ちゃんよりも好き?」
「それは……」
真奈美の言葉に俺は黙り込む。ここに彩乃はいない。だから、
「あぁ……彩乃より真奈美の方が好きだよ」
「ふふ、そっか、そっか」
再び俺たちは顔を近づけてキスを楽しんだ。
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