第3話 裏切る

 現在、俺は彩乃とキスしていた。

 ただ唇を合わせるだけのキスじゃない。熱くて濃厚なキスだ。


 ずっと彩乃と熱いキスを繰り返していると、部屋中にプルプルとコール音が鳴り響く。

 真奈美が電話してきたのだ。


「出ていいよ」

「うん……」


 俺はキスを中断して電話に出る。


「もしもし、真奈美か?」

『うんっ、そうだよ』


 スマホのスピーカーから真奈美の声が聞こえてきた。


 真奈美の声が耳に入ってきた瞬間、彩乃とのキスを思い出す。

 今日、俺は浮気してしまった。

 真奈美はそれを知らない。


 どうしよう。真奈美に浮気したこと報告しようかな……? 

 いや、けどそんなことしたら真奈美に怒られる。下手したら、真奈美に振られるかもしれない。

 それは嫌だなぁ。

 なんてことを思っていると、真奈美が話しかけてきた。


『雄太くん、土曜日は暇?』

「土曜日は……暇だな」

『なら、私の家で遊ばない?』

「え? 真奈美の家? いいのか?」

『うん、いいよ。土曜日はパパもママもいないしね』

「……」


 土曜日は真奈美のお父さんもお母さんも家にいないのか。

 つまり、真奈美と二人きりってことだ。

 大好きな人と二人きり。

 それを意識した途端、ドキドキと胸が高鳴る。

 やばい、なんか緊張してきた。


 黙り込んでいると、スマホのスピーカーから真奈美の不安げな声が聞こえてきた。


『ダメかな?』

「ううん、ダメじゃないよ。一緒に遊ぼうぜ」

『え? いいの……?』

「ああ、もちろんだよっ」

『えへへ、ありがとう、雄太くんっ』




 

 ◇◇◇




『じゃあね、雄太くん』

「ああ、またな、真奈美」


 俺はそう言って電話を切る。

 電話を終了したあと、彩乃がギュッと抱きしめてきた。

 それと同時にムニュっと豊満な胸が押し付けられる。

 彩乃のおっぱい、まじで柔らかいなぁ。

 これ何カップなんだろう? 

 Fカップ? いや、Gカップか? 


 なんてことを思っていると、彩乃が話しかけてきた。


「……土曜日、真奈美ちゃんと遊ぶの?」

「まぁな……」

「ふーん、そっか……」


 俺の返事に彩乃は辛そうな表情を浮かべる。

 彩乃は俺のことが好きだ。だから、俺の返事にショックを受けているんだろう。

 

 彩乃がギュッと更に強い力で抱きしめてきた。

 豊満な胸が俺の胸板や腹部に当たってムニュっと形を変える。


「お、おい……彩乃っ。おっぱい当たってるぞっ?」

「ふふ、わざと当ててるんだよっ。ドキドキする?」

「そ、そんなわけねぇだろ……」

「本当かな? ドキドキしてるように見えるけど?」

「っ……ああ、そうだよっ。ドキドキしてるよっ」

「ふふ、そっか、そっか」


 彩乃の口調は普段と変わらないけど、少しだけ声が震えていた。

 俺だけじゃなくて彩乃もドキドキしているようだ。

 それを知って少しだけ安心する。


「ねぇ雄太、私のおっぱい気になる?」

「ま、まぁな……」

「ふふ、アンタだったらアタシのおっぱい好きにしてもいいよ?」

「な、なに……?」


 彩乃の甘い言葉に俺は眉を顰める。

 このおっぱいを好きにしていいだと……? 


 コイツ、俺のことをからかっているのか? 

 それとも、


「じょ、冗談だろ……?」

「は? 冗談なわけないでしょっ。雄太だったらアタシの身体好きにしていいよ。ほら、アタシの大きなおっぱい触りなよっ……」

「……」


 彩乃の言葉に俺は黙り込む。


 どうする? 彩乃のおっぱいを揉むか? 

 いや、けど俺には真奈美彼女がいる。

 彼女以外の女の子のおっぱいを揉むのは絶対にダメだ。

 もし真奈美にバレたら『雄太くんって浮気する人だったんだ。もう嫌い』って言われるかもしれない。

 それは困る。

 けど、彩乃のおっぱい揉んでみたいなぁ……。

 ずっと悩んでいる俺を見て、彩乃は小首をかしげる。


「アタシのおっぱい触りたくないの……?」

「そんなわけないだろっ……触りたいですっ」

「ふふ、いいよ。たくさん触って」

「け、けど、俺には真奈美が……」

「大丈夫、ここに真奈美ちゃんはいないよ。どうせバレないって」


 彩乃の甘い言葉に俺の理性は溶けていく。

 本能が『彩乃のおっぱいを触れ』と訴えてくる。

 もうダメだっ、我慢できないっ。

 

 俺はゴクリと生唾を飲み込んでから彩乃の胸に手を伸ばす。

 五本の指が彩乃の胸に沈み込む。それと同時に手の平から柔らかい感触が伝わる。

 凄く柔らかいのに、手のひらを押し返す弾力を感じる。


 これが女の子の胸か……。


「どう……アタシのおっぱいは?」

「マジで最高だよ」

「もっと触りたい?」

「ああ、もっと触りたいっ……いいよな?」

「うん、いいよ。好きなだけアタシのおっぱい触って……」


 俺は手に力を入れると、デカメロンのような胸はムニュっと潰れる。

 彩乃のおっぱい、本当にデカいなぁ。

 これ何カップなんだ……?


 なんてこと思いながら彼女の胸をモミモミと楽しむ。


「ねぇ雄太……さっきから硬いのが当たってんだけど」

「え? あっ……ごめん」

「ううん、別にいいよ。それより、これってアタシで興奮してくれてるってことだよね?」

「ああ、そうだよっ。彩乃が可愛いからこんなことになったんだっ……」


 俺の返事に彩乃はニヤリと不敵な笑みを浮かべる。


「そっか、そっか。雄太はエッチさんだね」

「……」

「ねぇねぇ……これ苦しくないの?」

「そりゃ苦しいよ……」

「やっぱり苦しいんだ……。あっ、そうだ、お口でお手伝いしてあげようか?」


 彩乃の提案に俺は「は……?」と声を漏らす。

 コイツ、何言ってんだ……。

 それは流石に……。


「雄太、苦しいんでしょ?」

「ああ、凄く苦しいよっ……本当にお口でお手伝いしてくれるのか?」

「うん、いいよ。アタシがたくさんお口でお手伝いしてあげるね」


 彩乃が俺の耳元で囁いてきた。


「でも、これじゃ浮気になっちゃうね。ねぇどうする? 真奈美ちゃんのこと裏切る? それとも我慢する?」

「……た、頼むっ、今すぐ楽にしてくれ」

「いいの? 真奈美ちゃんのこと裏切っちゃうよ?」

「なんでもいいから早くしてくれ……」

「ふふ、分かったよ。真奈美ちゃんの代わりにアタシが楽にしてあげるね」

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