第5話 冬銀河

良く「善は急げ」って言うことわざあるけど、間違いなく今はその通りやって思うてる。

虐待を受けていて、緊急性があるって感じたのとこのままじゃ間違いなく考えれる結末は最悪な状況になると思うたからや。

悠斗さんみたいに「エゴ」やって言われたけど、気にしてない。

この二人をわかぼんみたいな事に、悲しい思いはさせたくない。

最悪な状態には、させなくないんや。

わか達と同じじゃないかも知れへんけど、悲しい出来事をこんな年から体験しなくたってええやんか。

「葉月ー。順番、まだぁー。」

本当に双子とはいえ、こんなにもタイプが違うんやなぁ?

一卵性双生児じゃないのは、分かっているし双子とは?ってなるんやけどわか達だって歳が離れてるんだから仕方ないんよね。

「お兄ちゃんは、何歳なの?」

なずなちゃんに何歳か訪ねられ、素直に年を話したらどうゆうリアクションするかな?

周りにいる悠斗や、龍臣にも年齢の話してないからなぁ。

「わて?何歳か、分かる?」

「うんとねぇ~46?」

うぐっ。

今から、助走アリでヒモ無しバンジージャンプしてくる。

「悠斗さん、今から俺・・・飛び込み行ってきます。」

「何実年齢より、年上に見られただけで飛び込みしないでください。実際の年齢自体、話してない貴方も悪いんですからね?」

「お前が落ち着いてるんやから、仕方無いやろ?」

「こいつ、今年で35だよ。」

わか~~💧

全然、違いますよ・・・。

めんどくさくなってきたし、へこんでる場合じゃない。

「じゃ、お兄ちゃんだ。よろしくね。」

あかんあかん、目覚めそう。

犯罪だから、手は出しませんがね。

いくらこっちだって、元極道やからって言っても外道みたいな事はしたくないし。

ましては明らかに年下の子に、犯罪待った無し行為なんてしたくないならな。

「あれ?それよりも、上だったか。」

間違ってませんが、わてまだ40前ですよ?

わかは、年齢知ってるはずですよ?

「意外と、歳いってるんだな?」

わか~💧

冷やかされた。

まあ、わかじゃなかったら間違いなくぶん殴っていたしこんな公共施設で暴力沙汰になってしまったら悠斗さんにも怒られる。

ただ不条理で小さな争いは嫌いやから、やらないだけで。

「暴れる口実」さえあれば、殴り合いできるんよな?

自分の歳の話で、小さいドンパチはしたくないし大人げないからな。

ましては未成年の目の前やから、余計にドンパチなんてしたくないやんか。

一応わてやって、「常識あほぅ」やないからそれぐらいは分かるで。

「まあまぁ、歳の話は地味にこっちにも聞くんでまずは置いておいて。葉月くん、なずなちゃんと僕の家に来ませんか?悪い意味じゃなくて、ちゃんと話をしたいんです。」

の話・・・ですよね?」

びびり出すところを見れば、話したくない内容もあるんやなぁって認識したけど散々な出来事をこの歳で経験してきたんやなぁって。

まあ一番の加害者は父親なんやから、悠斗さん自身も話だけは聞きたいって話したのも当たり前っちゃ当たり前なんやろうなぁ。

俺自身も、葉月くん達の話とかちゃんと聞きたかったしもしかしたら分かんないとこもある程度は分かるんやないかなぁって思うたから。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る