第8話 境い目

帰宅時間はいつも同じ。家まで歩く道も同じ。そして、いつも同じ場所で転びそうになる。そこに何があるってわけじゃない。なのにどうしてだか転びそうになる。儀式のように。


そう、ここ。

あれ? すんなり通り過ぎましたけど、大丈夫? 転びそうにならなかったんですけど、いいの?


いつもどおりじゃないのが不安のようでもあり何かが始まる期待のようでもあり。


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