第4話 似たりよったり

ここがどこだかわからない。なんの説明もないまま連れて来られたのだ。


大きな屋敷である。調度品も豪華。食事も美味しい。娯楽施設まで整っている。

と、いうと文句なしのようだけれど、そうそう上手い話なんてない。一日の大半は罵られたり訳のわからない作業をさせられたり陰鬱な映像を観せられたりする。


飴と鞭のような生活だ。


どうしてこんなところに連れて来られたのかわからない。なぜ“わたし”が選ばれたのかもわからない。わたしにこんな生活をさせてどうしようというのだろう。


逃げようと思えば逃げられる。監視はゆるいのだ。

けれど、逃げる決心ができないでいる。


このままここで生涯を閉じるかもしれない。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る