第四話 帰投


俺達は東部イリムナ国のICA海賊対処軍第一基地に向かっている。

第一基地には巨大な飛行場と居住区画が所狭しと並べられて、

その一区画に俺の乗る飛行機は着陸した。

ハッチが開き、医療隊員が負傷者を救命センターへと運んでいく。

俺達は負傷した仲間を見送ると、指揮所に顔を出し、報告書を書く。

負傷者のことや、ボジルの被害状況、制圧時のことなどを簡潔にまとめていく。

そして、提出したあとは自由時間だ。

俺はシャワーを浴び、汗を流したあと、夕食を取りに食堂へと向かう。

ここの食堂は栄養管理がなされたA、B、Cの中から、一つを選んで食べることができる。

俺は、A定食を選び机に運ぶ。A定食はハンバーグだ。A定食が一番美味しそうなものが多い。


「いただきます。」


食前の挨拶を済ませてから、俺は食べ始める。すると一人の男が向こうの方から近寄ってくる。


「よぉ。今日はお疲れさん。」


急に見知らぬ男に話しかけられて、俺は困惑する。


「俺だよ俺、要人暗殺のときに援護した。ハンドサインを交わしたろ?」


「あぁ。あんたか。」


そういえばそんな奴もいたような気がする。


「俺はディップ。ディップ・フロン。よろしくな!」


握手を求められたので俺は手を差し伸べる。すると、力強く握られたので少し戸惑う。


「わりぃわりぃ。ちょっと気合が入ってしまった。」


ディップは申し訳無さそうに謝る。すると夕方のニュースに番組が切り替わる。


「6時のニュースです。今晩行われたICAによる大規模軍事作戦ですが、ICAが今現在、グルリ諸島のボジル国を完全に制圧したと発表しました。繰り返します。今晩、、、」


ディップは俺たちのことだよなぁ。と俺に語りかける。


俺は

「そうだろうな。」

と答える。


ディップは「ICAは海賊対処って言ってるがどう考えてもその裏に何かあるのは確実だ。ライム。お前は何があると思う。」


「俺達は傭兵だ。命令されたとおりに人を殺し、任務を遂行すればいい。」


「へぇ、おかたいねぇ。」


ディップがやれやれと首を振る。


ピロリン!


支給されている携帯に通知が来る。その内容は次の作戦の参加を指令するものだった。

おれはため息をつき、食事を終わらせると手早く皿を返却台に戻して、部屋へと戻っていく。


「おい?もう戻るのかよ。」


「わりいな。明日任務が入っちまった。」


「そうか。、、、。頑張れよ!」


親指を立ててディップはエールを送る。俺は、手をあげてそれに答えた。

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