投資

投資

　電車の中で見た広告。

　若者は、七割が投資に前向きらしい。

　堅実（けんじつ）に貯金をして、将来に備えるそうだ。

　将来ねぇ。

　毎月バイト代をガチャにつぎ込む私は、将来に備えているとは言えないのだろう。

　だけど、ひとつ疑問がある。

　そもそも、将来に備える必要などあるのだろうか。

　明日私が生きている保障なんてないし、明後日使いたいお金が使えるとは限らない。

　ガチャだって、引きたいときに引かないと、またいつ引けるか分からない。

　そう自分に言い聞かせて、また目の前のガチャボタンを押す。

　はずれ。

　我慢しなさいと言われて育った反動だろうか。

　私は自分でも、刹那的（せつなてき）だと思う。

　でも、そんな自分も嫌いにはなれなくて。

　人生だってガチャだって、その時その時を全力で生きればいいじゃないか。

　たとえはずれを引いたとしても、それは、価値あるものなんじゃないか。

　そういう風に言い聞かせる。「私は今に投資します」なんて言ってみたいけど、

所詮それが言い訳でしかないことは明らかだ。

　だけど、今はそんな言い訳も生きるための燃料になっている。

　さぁてと。

　また課金するために、働くか。