第11話 恐れていた事が現実に…

朝目が覚めると横に夏美が寝ていた。


俺の初めての相手…夏美…

愛おしさを感じると共に、冷静になると疑問が湧いてくる…


昨日は確かに夏美は可愛かったし、興奮した。

あんな事をしたのは僕の為?

でもやけに手慣れた感じがした…


夏美は同居人が初めての人と言っていた…

けど、初めてなのにあんな事をしていたと?

イライラするけどそれはあり得ない話ではないか…


でも気になる言葉もある…

昨日の行為ははっきりとは覚えていないが、途中夏美は僕のを大きいと言っていた…

それは誰と比べて?同居人?それとも…


彼女の男性経験って…本当に1人だけだったのか?


正直に言うと知りたい…でも…

知ったら知ったで衝撃な事実が分かってしまいそうで怖いし、

嫉妬で頭がどうにかなってしまいそうだ!!!


そんな風に悶えていると寝ていた夏美が目を覚ました。

「ふぁあああ!おはよう。まーくん♪」


「お、おはよう、夏美。」

僕は先ほどの事を考えていたので少しテンションの低い声だった。

それに気づいた夏美は、


「あ~~~酷い!

 昨日あんなに激しく求めてきたのに

 経験したら私に冷たくなるの~?

 こういう時はもっと私に優しい声かけるんじゃないの?」

ちょっと夏美はむくれていた。


「あ…いや…ごめん。身体…大丈夫?」

確かに疑問はあるもののこれは僕の配慮が足りなかった

僕は本当に申し訳ないと思い、急いで夏美を慮った。


「まーくん、大きいからちょっと痛かったんだよ?

 私、頑張ったんだよ?」


だから何と比べて大きいって言ってるんだよ!と内心では思っていたが

「ご、ごめん。大丈夫?」

ただただ平謝りした。


「うん♪大丈夫だよ。

 じゃあ、朝食作るね♪」


「え?疲れているだろうからコンビニで買ってきても…」


「いいよ。せっかくマー君が色々と新しく買ってくれたんだから

 頑張って作るよ。」

そう夏美は言って、ハムエッグと野菜を用意してくれた。


「うん。やっぱりT-FA〇のフライパンは良いね~♪

 料理の作り甲斐あるわ♪」

夏美は終始ご機嫌で僕の思っていた以上に家庭的だと感じた。


今日は出社日だったので僕は支度をして家を出た。

家を出る時に夏美が笑顔で出迎えをしてくれた。

「行ってらっしゃ~い♪まーくん♪早く帰って来てね♡」


まるで新婚生活のように感じられて

「行ってきます。夏美♪」

僕は気分良く会社に向かう事が出来た。


その時の僕は、まさかこんな最悪の一日になるとは思っていなかった…


・・・


昼休みに僕は携帯のメールに夏美から連絡がある事に気づいた。


『『 ごめん。今日バイトなの忘れてた。

   バイトに行ってきます。

   夕方には帰ってきます。 』』


僕は驚いて夏美に電話した。

夏美はすぐに電話に出てくれたがどうやら電車の中だったようで

小声で迷惑そうに喋った。

「今電車の中なの。手短にお願い。」

「はぁ?バイト???バイトって何処?」

「〇×駅の蕎麦屋。」

そこは同居人のいた駅だった。


「何言ってるの?同居人に見つかったらどうするの?

 危ないから帰ってきなよ!

 そもそも何でバイト続けているの?」


「バイト先のおばさん本当に良い人なの。

 そんな簡単に辞めれないよ。

 それにあいつも馬鹿じゃないんだから変な事はしないよ。

 もう切るね。」


そして一方的に電話を夏美は切ってしまった。

僕は心配で午後の仕事がほとんど手につかなくなった。


メールで何回も大丈夫なのかという聞いたが

一向に返事がなかった。

そして夕方…恐れていた事が現実になった…


漸く夏美からメールが来たが、その内容に僕は最大限の衝撃を受けた…

 

『『 同居人がアルバイト先まで押しかけて来た。

   問答になってどうしようもなかったから、実家に連れて帰る。

   今、新幹線。

   心配しないで 』』


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