第18話 ゴブリン・スレイヤー
校庭をあらためて見渡すと、倒れた生徒で埋め尽くされていた。
倒れた生徒たちが次々と淡い光を放って消えていく。
彼らは死んだのだろうか。
死体が残らないと言っても、血痕が消えることはなかった。
恐怖や怒りは感じない。非現実感の方が強かった。
感覚が麻痺しているのもしれない。
白皇先輩たちのところへ戻ろうとしたとき、
二匹だ。
緑色の肌に生徒たちの返り血が大量にこびりついている。
二匹の
生徒のなかには槍を構えた藤堂先輩の姿も見える。
校庭を見渡したかぎりでは、その二匹が最後らしい。
円陣を崩そうとしているのだろう。
(ああ、こいつら臆病なんだな)
円陣状に構える敵に対して、突撃する勇気がない。
僕は
藤堂先輩は僕の存在に気づいてくれたようだ。
僕のやろうとしていることを瞬時に理解してくれて、
あとはタイミングを合わせるだけだ。
槍が貫通しても暴れるので、こいつも持ち上げることにした。
もう一匹が激怒して走り寄ってきたけれども、円陣の生徒たちが挑発するものだから、あっちを振り返り、こっちを振り返りしているうちに、僕に背中を見せることになった。
そいつの背中にも槍をぶっ刺す。今度は尻もちをつかずように踏ん張ったけど、頭から
正直言って、僕以外の誰かが、同じ方法で
「すまなかったな、ショータ。ありがとう!」
藤堂先輩が爽やかに言ってくれた。まあいいや。
藤堂先輩たちが、円陣状になって、
そういう理由でしたか……
それから、次々といろんな人に感謝やら賞賛やらをされたけど、僕は今すぐにでも
藤堂先輩がタイミングを見計らってみんなから僕を解放してくれたので、水飲み場に行けることになった。
待て待て。
パトカーに槍をぶっ刺した
あいつらが学校に侵入していないとすると、
水飲み場からの帰り道にそんなことに気づいてしまった。
嫌だったけど、とりあえず校門まで偵察に行く。
あいつらがいても、また逃げればいいし。
恐る恐る物陰から校門を覗くと、誰もいなかった。
僕か藤堂先輩たちの誰かがやっつけた
さて。白皇先輩と春日くんに会いに行こう。
もしかしたら春日くんが白皇先輩をおんぶして体育館のほうに避難してるかもしれないけど。
あれ? なんか違和感があるぞ。
槍がない。
ぶっ刺さっていた槍が全部ない。
ヤバい。槍の数が合わない。
僕は校庭に走った。
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