第3話 従姉妹の『いまちゃん』
いまちゃんを思い出して、本屋に入った。藤倉君のことですっかり忘れていた、いまちゃんおススメの参考書を探す。
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いまちゃんは高校一年で、私とふたつ違いの
サラサラの黒のロングヘアーを背中で一つに束ね、長すぎず短くもない制服のスカートから、すらり、と伸びる長い足。
いまちゃんみたいになりたくって伸ばしている髪も肩くらいまで伸びたけど、モデルさんみたいな顔にスタイルまでは真似できない。
そんないまちゃんの、切れ長で黒目がちの瞳に見つめられると、大人も子どもも男子も女子もその
『目立たなくなるらしい』と黒ぶちで度なしのメガネをかけているが、可愛い度がさらに上がったいまちゃんは『なんか違った』って苦笑いしていたけど。
でも、いまちゃんの魅力はきっとそこじゃない。
理想の先輩!みたいな見た目とは反対に、話し方はお祭りの出店のお兄さんのようなのだ。
初めていまちゃんに会う人は、そのギャップに目を白黒させる。
けれど、ころりころり、と変わる表情と、少しだけ人より近い距離感と、いつも本気で人と向き合ういまちゃんにはファンがたくさんいる。
実家はお医者さんで、いまちゃんも目指している。すごいことに、学年で常に上位をキープしているらしい。
そんないまちゃんは、『初恋のヤツとの出会いは自分ちだったんだぜ? ダハハ!』と笑いながら話してくれたことがある。
何でも、それがきっかけでお医者さんを目指して勉強を始めたそうだ。
私の受験に向けて家庭教師を探そうかという話になった時、志望校に通ういまちゃんに相談をしたところ、
「そんなの、あたししかいねえだろ?」
と言ってくれて。
うちの両親も、いまちゃんなら!という事で話が進み、週に二回勉強を教えてもらっている。
いまちゃんなら。
いまちゃんならきっと何とかしてくれる。
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