第18話 家を作ろう



「じゃあ、二人でひと部屋で悪いけどここ使ってー」


「「「「え?」」」」

驚愕する奴隷達


「え?ごめん、今部屋足りなくて…明日には家できるし勘弁して」


「え?」


「なんだよぉ…」

え?え?うるさいなぁ…


「ご主人様、普通は奴隷は一部屋づつ貰えませんし家も1日では建ちません」

ピシャリと言うナキリ

建つんだからしょうがないやんけ!


「まぁ、あくまで仕事しに来てもらってるからね、給料も払うしいい仕事はいい環境からできると思ってるからね」

娯楽がないのを3年も忘れてたのは内緒だ。


「残りの二人の部屋はあっちね」


「ありがとうございます。感謝しかありません」

四人がお礼を言う。


「んじゃ、お風呂入って寝てねー」


「「「「え?」」」」


もうええちゅーねん!!!



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


とても素晴らしいご主人だ。

お風呂に入っているナキリは今日のことを思い出す。


どこの誰かもわからない私達亜人を買ってくれただけではなく、ナツメまで引き取ってくれ腕まで治してくれた。


鬼族の中で私とナツメは#一角__いっかく__#と言われ腫れ物の様に扱われ、村では働けず街に出たものある仕事の中でナツメが両腕を失い金がなくなり奴隷となった。


ナツメには悪いがこの場所に来られたのならそれも良かったとも思える。


他の二人の奴隷はどう思っているかは分からんが私はご主人様の為に今は生きようと思う。


ただ、今のところ仕事がない。どうしたら良いのだろう……


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



翌日なんかナキリにクマが出来ている。


「え?寝れなかった?枕?枕が悪いんか!!」

睡眠は生活の8割を占めていると言っても過言ではない!

解決せねば!


「だ…大丈夫です、ご主人様…ただ少し考えごとをしておりまして…」

すいませんと謝るナキリ。


「本当に大丈夫?」


「はい!大丈夫です!」


「ならいいけど辛かったら休んでね」


「はい!」

返事はいい返事は


「じゃあ、マオやるか」


「うむー」


前回の経験で家づくりはとても簡単になった。

前回は部品ごと創造魔法を作っていたが今回は部品を組み合わせたパーツごとで作っておりプラモより簡単だ。

まぁ、クソでかいし重いから魔法がなかったら無理だ。


「はい、家いっちょー!」


「うるさいわ!」

怒るマオ。怒んなくたっていいじゃん…



午前中で3軒ほど建てた。


お昼ご飯中奴隷達が話しかけてきた。


「ご…ご主人様…私達はなにをすれば…?」

泣きそうな顔で申し訳なさそうな表情でナキリは言う。

こっちが悪い気分になるわ!

まぁ、指示しない私が悪い。


「んー特にない」


「がーん!」

口で言うな!


「んー何が得意なの?」

奴隷達に聞く。


「狩りを少々、弓が得意です」

ユーリは弓か


「じゃあ、あそこにいる獣人のゾフィに狩りの基本と弓教えてあげて。もしゾフィの方が弓が上手かったら教えてもらって」


「かしこまりました」

スッとお辞儀をするとゾフィに向かうユーリ。クールである。


「ウチは魔法が得意です。裁縫も少々できます。」

クーコは魔法と裁縫か

「じゃあ、あそこの獣人のユッテと話してみて。ユッテは好き嫌いが激しいから合わなかったら帰ってきてくれ」


「かしこまりましたぁ」

後ろ姿の尻尾が可愛すぎる。頼んだら触らせてくれるのだろうか。


「1番得意な家事はダメだったので…気合があります!」

ナキリが大真面目に言った。


チラッとナツメを見る

パッと目を逸らされた。

お前の仲間だろ、お前がなんとかしろ。


「ナツメの得意なことは?」


「わからん!」

自信満々に胸を張るナツメ

お前ら使えないな…

どうしたもんかと考えていると女神とスラちゃんが視界に入る。


「おーい、ジルー」


「なんですかー?」

パタパタと走ってくるジル、胸に抱えたスラちゃんが可愛いんだ。


「ナキリとナツメはジルとスラちゃんと遊ぶ係だ」


かしこまりましたと言うナキリ。

真面目はいいことだ。




午後に家をまた3軒建て合計6軒建てた。


一軒は娯楽施設で明日にでも中身を作る予定だ。


「おい、娯楽施設がないぞ」

マオがこっちを見る。


「え?あの建物がそうだよ」

指を指す。


「違う違う、中身がないじゃろ」


「あしt…」


「今じゃ」


「あs…」


「今じゃ」


「はい…」



という事でとりあえずボーリングとダーツを作ってみた。


あんまり長さとか距離がわからなかったので感覚で作ってみたがボーリングは受けた。


ダーツは上手い人と下手な人の差がすごくて微妙だった。(ダークエルフと戦闘の訓練してる人は上手かった、私はクソ下手マオはへた)


奴隷達も最初は萎縮していたが酒が入り後半になると楽しそうにしておりマオに圧をかけられながら作った甲斐があった。


ビリヤードとかも作ってみようかな。


いい感じで娯楽が終わった時マオが私に話しかけてきた。


「家もこんだけあって娯楽もあったらもう村じゃな、あとは酒場が欲しいのう」

それを聞いた女神が食いつく。


「酒場欲しいです!憧れてたんです!こちらあの方からです、って言われたいんです!」


「なんじゃ、それ…」

怪訝な顔をするマオ。

私も憧れがあるので何も言えない。


「よし作っちゃうぞー!」

楽しくなった私は外に出て酒場を作り始める。


「もう暗いし火でもつけるか」


ぼぉと火の魔法を使いさながらキャンプファイアーである。


こうなったら止まらない。


酒を飲む大人と鬼人、家を作る私、騒ぐ天使と獣人、それを加速させる魔王。







目が覚めると外で寝ていた。


周りを見渡すと大きな町が出来ていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る