第13話 ルージュの力
「え?本気?」
「もちろんや」
「Sランクの冒険者はBランクまで他の冒険者を推薦できるんや。その試験として推薦者との勝負をギルドマスターに見せてBランクの実力があるか確認してもらうんや」
おっさんギルドマスターだったんだ。
「いつでも開始していいの?」
「ええで!ウチの実力見せたるわ!」
鞭を構えているルージュ。
かっこいいのがちょっとムカつく。
殺さない程度の魔法って難しいんだよなぁ。しかも、Sランクだろうから強いだろうし手抜きし過ぎて落ちるのもムカつくしなぁ。
あれにしよう。
〈デス・グラビティ〉
ルージュを魔法陣で上下でサンドウィッチする。
重力要素はもちろんないし魔法陣の意味もない。
「ぐぐう」
変な声を出して耐えるルージュ。
鞭はもう地面に落ちてる。
ちょっと気になるので拾う。
「へーこんな感じなんだ」
鞭で遊ぶ。
「そ…それ…ウチのや…」
歯を食いしばりながら答えるルージュ。
えい
ぺちん
「ひんっ…や…やめーや!」
軽く叩くと怒るルージュ。
おもろい
えいえーい
ぺちんぺちん
「ひん…ひんっ…ギブ!ギブでーす!」
早い…こいつ根性ないぞ…
もうちょっと楽しみたかったのに残念。
「Bランクになれる?」
ギルマスおっさんに聞く。
「う…うーん。側から見てると遊んでるようにしか見えなかったんだよな…」
それもそうかもしれない…
「まぁ、フォレストウルフも狩れるみたいだしいいだろう。今日からお嬢ちゃんはBランクだ」
わーい、別にそんなに嬉しくはない。
「じゃ、帰ります」
「ちょ…ちょいちょーい。待て待てーいまってーい!」
「あ、そうだ。ジュリ達はどう?」
「ええ感じに助かってるわ!計算早いし真面目やし!」
「ならよかったよ。ルージュ任せて良かった。」
「気にせんでええで!うちも助かってる言うたやろ!」
「そっか。ありがと、また今度ね。」
「そやな、またなー!」
「って…まってーい!まてーい!」
うるせぇなぁ……
小ボケをした私も悪いがうるさい。
「Bランクになるとカードに連絡機能がつくねん、軽い連絡が取れるようになるんや」
「ただ、BとAランクは受け取りだけや。連絡が来たらカードから魔力がでるから気づいたら見てや」
ふーん。受信専用メッセージ機能か。
「この機能があるからSランクがBランクにまであげることができるんや。有能な冒険者は連絡取りたいからな」
へーちょっと囲われてる感じしてやだな、無視しよう。
「無視すんなや?」
「う…うん」
特にもう用はないので街からでた。
「スラちゃんこれからどうしようね」
ぽんと手のひらにスラちゃんを召喚する。
街の中では自分の中の亜空間にスラちゃんをしまっているのだ。
スラちゃんをよしよししながら歩いていると声が頭に声が響く
《ガチャを引くのです》
《ガチャを引くのです》
《ガチャを引くのです》
あ、これ神だ。
《あ、これ神だ。ではありません、GRを引くまでのんびり禁止といいましたよね?》
そうだった。
《石を集めているのは知っています。ガチャを引くのです》
は、はい。
引かせていただきまーす。
《ガチャ》をタップする。
〈神怒りのGR確率アップガチャ〉
〈Rは排出されません。GR確率アップに加えURの確率もアップ〉
〈※1回のガチャ値段が10倍の宝玉50個〉
お怒りである。
値段もお怒りである。
宝玉が560個あるので11回引ける。
個人的になんだけど最初に1回引いたほうが好き。
えい
金の玉だ。
《SR 万能開拓セット》
ほう、いつか使うだろう…。
じゃあ、次は10回。
えい
〈〈《神確定》〉〉
カットインがでる。
うわ、これ多分GRだろ…すごい嫌な予感がする。
《UR 異世界のキツネ》
《UR 異世界の侍》
《UR 異世界忍者》
《SR どこでも工房セット》
《SR マジックボックス特大》
《UR 女神の机》
《UR 女神のイス》
《UR 女神のクッション》
《UR 女神のソファ》
《UR 女神のベッド》
《UR 女神の枕》
《GR 可愛い女神》
後半、絶対女神の私物だろ。絶対出さねぇ。
なんだこの出来レース。
とりあえず、女神は絶対出さないことにした。
ぱーぱらーぱーぱぱぱっぱららー
ラッパの音と共に空から極太の光が降り注ぐ
羽が舞い散り光が乱反射する。
極太の光の柱から大きな翼が映え地面を覆い隠すように翼を閉じる。
光の柱が消え翼が開かれるとそこには転生前に小躍りしていた神がいた。
「パンパカパーン!女神でーす!よろしくお願いしますねー!」
ほんとため息でる。
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