拠点を作ろう

第12話 これからの話


はー深いため息がでる。


サーシャロスである。

ルージュの商会に就職した三人はまだ近くの街で研修を受けているため会おうと思ったら会えるのだ。


しかし、サーシャは違う。

ウィルの育成方針で1人旅に出ることなったサーシャ。


一人で旅をする事で磨かれる感覚やセンスがあるのだそう。


ああああああ、不安だぁああ。


マオが言うにはあんなバケモンみたいな装備していれば死ぬことは無いらしいが不安である。


まぁ、気にしててもしょうがない。

安全を祈るとしよう。


先生であるマヤ先生は授業がなくなってはいるがまだここに住んでいる。


住み心地がいいのとウィルといい感じの関係なのだ。

まぁ、二人が幸せならそれでいい。


残った獣人のユッテとゾフィの二人はボチボチ訓練している。


ゾフィは弓をユッテは魔法を練習している。


サーシャとパーティを組んだらいいパーティになるだろう。

まともに冒険者したことないからわからんけどな!


「これからどうするかなぁ」

と深いため息と悩みを呟いた。


「そういえば、ルージュが呼んでたぞい」

マオが思い出したように答えた。


「え?いつ頃?」


「んー覚えておらぬ」

えぇ、どんだけ前なんだよ。


「じゃあ、街へ行くか。マオは?」


「儂はユッテに魔法教えねばならぬ」

はーと面倒臭そうに肩をすくめるが口元が緩んでるマオだった。



「じゃあ、スラちゃん連れて行ってくるわ」

またねとマオに声をかける。

ヒラヒラと手を振るマオ。


外に出るとウィルとマヤ先生がお茶をしていた。


「あら、お二人さんお熱いね」


「そ…そんなことありません!」

「バッ……そ…うだぞ…」

顔を真っ赤にして否定するマヤ先生。

その言葉にショックを受けるウィル。


これだから揶揄うのはやめられない。


「街へ行くけどなんか欲しいものある?」


「私は特にないです」

「俺もないな」


「あいよーいってきまーす」


「「いってらっしゃい」」



スラちゃんを頭に乗せ街へ繰り出した。



冒険者ギルドに行くとルージュがちょうどいた。


「ルージュなにしてんの?」


「お前がなにしとんや!」

なんか怒ってて草


「大分約束してから時間がたったんやけどなぁ。いつになったらBランクになってくれるんや?」

そんな話もあったな…


「今できんの?」


「ちょっと聞いてみるわ」

ルージュがギルドの奥へと消えた。


すると、奥からおっさんがでてくる。


「お、お嬢ちゃんか相変わらず変わんないな」


「ふふん、そうでしょ」

完璧スマイルを決める。


「Bランク試験だろ。多分できるから先訓練所行っときな」

完璧スマイル無視すんな。

少しがっかりしながら訓練所へ向かう。



訓練所に着くと若そうな男三人組が訓練をしていた。

私に気づくとこちらに近づいてくる。


「お前みたいなチビが来るところじゃ無いぞ」

生意気そうな赤髪キッズが騒ぐ。


「おい、迷った子かもしれないだろ」

賢そうな緑髪キッズが赤髪を咎める。


その二人をオロオロしながら見ている金髪のキッズ。


信号機と名付けよう。


フルシカトをかましてると赤髪が胸ぐらを掴んできた。


「無視すんなよ」

イキる赤髪。

なんだこいつは…


「無視したのが気に障ったなら謝るね。ごめんね、あと手を離してもらえるかな?あんまり手加減できないから離してもらえないなら怪我するよ」


余計に煽ってしまったのだろう。

無言で睨んだあとビンタをもらった。


「警告はしたからね」

赤髪の手を掴むとそのまま魔力を解放し赤髪の手首から先を切る。


ぼとりと手が落ちると私は解放された。


「うわあああ、俺の手が…あああああああ」

うるさいなぁ…ほんとに…


落ちた赤髪の手を拾って、魔力を手に込め赤髪の手首に近づける。


〈ヒール〉


すると赤髪の手が再生する。

びっくりして言葉がでない信号機に向かって拾っておいた手をぶん投げる。


「次はないよ」

ニッコリと笑うと信号機達は逃げ出した。

マオを助けられなかったことがこれがサーシャだったら子供達だったらと思うと恐ろしく、三年間創造魔法でいろいろ研究した成果〈ヒール〉である。

他にも色々あるがまぁ良いだろう。



そんなことを思いながらボケーと待っているとルージュとおっさんが来た。


「おそいよー」


「バカみたいな三人が叫びながら走っていったけど、エルがなんかしたん?」


「いんや、知らない」

サッと目を逸らす。

落ちた手を見てギョッとするルージュ。


「やりすぎてないやろな?」

「な、治したからセーフ」


「ま、まぁやりすぎてないならええわ」

はぁとため息をついたルージュはおっさんにバレないようサッと手を燃やした。



「じゃあ、Bランク試験始まるで」

ルージュが仕切る。


「あーい、何したらいいの?」



「ウチとの勝負や!」




気合を入れたルージュの目がギラギラと光る

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