第3話 冒険者ギルドとご飯

気まずい雰囲気の中冒険者ギルドについた。



「じゃあ、俺たちは報告があるから先にいくな…。あそこで登録ができるから登録したら一緒に飯屋にでもいこう」

苦笑いを浮かべ去っていくクリス。苦笑いしてばっかだなあいつ。



「登録おねがいしやすー」

とカウンターにいたお姉さんに声をかける。


「あらお嬢さん達、ちょっと登録にはちょっと早いかもしれないけど大丈夫かしら?」

と困ったように首をかしげながらあらあらと言うお姉さん。


ずるいぞ。私も前世ではあらあら言いたかったのに…。


「いいからはよせい、儂は忙しいんじゃ」

お前忙しかったこと今までないだろ。

マオをジト目で見る。


「じゃあ、ここにわかるところだけでいいから書いてね」

お姉さんからあらあらと言われつつ紙をもらう。

いろいろ項目があるが名前しかかけるところがない。

チラッとマオを見ると名前と職業に魔王と書いていた。


「こんなもんじゃな」

「私もこれしかかけない」

と二人してお姉さんに渡す。


「あら、エルちゃんはなにが得意なのかしら?」

あらあらと言いながら聞いてくる。


「得意なのはないけど魔法なら使える」


「じゃあ、魔法使いって書いておくわね」

あらあら


「もう一人のマオちゃんはー魔王なのねーいいわね。他になにかできることある?」

あらあらー?


「なんでもできるぞい」


「あらあらー?」


「魔法もできるぞい!」


「あらあらー!そうなのねー」

と言いながら魔王に2本線をいれ魔法使いと書き足した。


「はい、これで登録はおしまい!これであなた達も冒険者よ!」

あらあらと言いながらカードをくれた。


「これはGランクのカードです。G~Aランクまであるのよ。お仕事頑張ればランクは上がっていくからね」

お姉さんは体の前で控えめなガッツポーズ取る。お胸がすごい。


「そこのクエストボードに依頼があるからGって書いてある依頼をしていくのよー」

わからないことがあったらお姉さんに聞いてね頑張ってとひらひら手を振ってくれた。

あらあらはどうした。こっちは求めてるんだぞ!!


「そうだ、素材の買い取りはできるの?」


「お姉さんはね。仕事ができないからここにいるのよ。私に聞かれても困っちゃうからあっちで聞いてちょうだいねー」

あらあら要因だった。

さっきわからないことがあったら聞いてねって言ったのはどこのどいつだ。


「あ…ありがとうございました。」


「どういたしましてー」

使えないお姉さんを後にして、違うカウンターへ行く。


「素材の買い取りできる?」

ちょっと顔の怖いおじさんに声をかける。


「できるぞ。みせな」

ぶっきらぼうに言われた。冒険者ギルド感あって嬉しい。


ドサッっと2年分の魔石をとりあえず置いた。


「お…お前、持ってくるにも限度があるだろう…」

怖いおじさんドン引きである。

まだ、素材もあるよ。


「と…とりあえず今日中には無理だな。明日…いや明後日かもしれん。大丈夫か?」

意外とかかるな…


「時間は平気だけどお金ないから2人で3日分ぐらいは今欲しいな」


「そうか、じゃあ今できるだけ鑑定するからちょっと待ってろ」

そういうと袋に魔石を詰めサンタクロースのようなおじさんは奥へと消えた。


「暇じゃの」


「確かに」


「喧嘩売ってくるアホは冒険者ギルドにいると思ったじゃが違うのかの?」

こいつ余計なこと考えてんな…。


「お嬢ちゃん達ここは子供が来るところじゃないよ」

ガハハと笑いながら酒臭いおっさんが後ろから声をかけてきた。


「おーこれじゃこれ!」

キラキラした目をするマオ。


「やめとけよ…マオ…余計なことs…」


バコーン


マオの裏拳で弾け飛ぶおじさん。


カカカと笑うマオ。

ほんまため息でる。


「とりあえず、金貨2枚な。これで余裕で1ヶ月分ぐr…」

壁にめり込むおっさんを見て言葉に詰まるおっさん。


「なんかあったのか?…」


カカカと笑うマオと苦笑いを浮かべ、さぁ?首をかしげる私。




「じゃあ、とりあえずマオに金貨一枚ね」

とマオに金貨を渡すが受け取らない。


「え、お主が持っとけ。儂は別にいらんし儂が買いたいものができたらお主が買ってくれ」

えーそういう感じ?まぁ、本人が言うならいいか。


そんなやり取りをしているとクリスたちが帰ってきた。


「登録は終わったか?」


「終わったよー」


「じゃあ、おすすめの飯屋でも行くか!今日は奢るぞ!」


「わーい、あとでおすすめの宿でも教えてね」

異世界初めての外食。ご飯が楽しみである。


結果的に言うとがっかりだった。

街で一番美味しいとのご飯はそんなにおいしくなかった。

食べてがっかりした顔を見たであろうクリス達は私達が貴族だと思ったらしい。

魔力が高ければ高いほど美味しいお肉らしく、私達はただのお肉を焼いただけで調味料がなくても普通に食べれてたのはそのせいだったみたいだ。

この分だと宿も酷そうだと思った私たちは街の外をでて街から見にくい場所にコテージをだしてゆっくりと惰眠を貪るのだった。


「こんなに街がしょぼいならせめて、肩車ぐらいしてもらえばよかった…」

ベッドの中ではぁとため息をついて意識を手放した。


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