第2話 森の外での出会い
さて、冒険を始めるのはいいんだがどこに行こう。
「マオどっか行きたいところある?」
「まずなにがあるかわからんぞ」
その通りである。
「だよねー。森から出て道でも探して見ますか」
3年ほど森の中を探索したが森からでたことはなかった。
とりあえず、慣れた森の中を進んでいく。
「意外とこの森広かったよねー」
「そうじゃの。お主のコテージのおかげで苦労もせんかったしいい森じゃった」
「あそこでマオが毒キノコ食べて笑いが止まらなかったの思いだすね」
「あれは辛かった…いつかあのきのこは滅ぼす」
しょうもない話をしてる間に森からでた。
「さて道はどこにあるかなー」
そう思っていると頭の中に声が響く
《森の外側を左いくと3kmほど先に道があります》
え?そんな便利な機能が?なんで言ってくれなかったの?
《聞かれませんでしたので》
そ…そうかぁ…
「おい、お主なにアホ面しとるんじゃ」
こいつ私が考え事してるとすぐアホ面呼ばわりしてくるな
「妖精もどきが道を教えてくれるらしい」
KMの声ってマオに聞かせることできるのかな?
《できますよ。マオに声を共有しますか?》
くっそ便利やん。
《初めまして、マオ様KMです》
「なっなんじゃ!頭の中に声が!!」
びっくりしてるマオってなんか可愛いんだよなぁ。今度もっと驚かせよう。
「これが妖精もどきだよ」
「確かに、これを聞いたらアホ面になりそうじゃ…」
何だその感想…
「左に言ってれば道があるみたいよ」
「そうか…とりあえず歩くとするかの」
マオにKMを紹介できた。
《魔物に襲われてる人間を確認しました。このままだと負けそうです。いかがしましょう》
KMから声がかかる。
「ってそんなことできるの!?」
《できます。魔物の探知もできます。今度から声をかけてくださいね》
機械音声なのにドヤっていうような気がするのは気のせいだろうか…。
「ククク…儂の力をみせてやろう」
ニヤっと笑うマオ。
「マオの分が残るかなー?」
ニヤニヤとマオを見る。
「言っておれ、たわけが」
「じゃあ、どっちが魔物を多く倒せるか勝負じゃい!!」
マオと二人で走り始める
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「クソっ…本当についてねぇなッ!!」
フォレストウルフの突撃を剣でいなし吐き捨てるように言う。
ぼちぼち実力もつけてBランクパーティーまで来たリーダーの男クリスは危機に陥っていた。
「そんなこと喋っている暇があったら早く一匹でも倒してよー!!死んじゃうよ!!」
泣き言を言いながらも氷属性の初級魔法〈アイスボール〉を連打している女ミホ。
「動きが早いし毛が硬い…矢が通らんぞ…どうするリーダー!!」
エルフの男レアンは弓を諦め短剣に持ち替えながら指示を仰ぐ。
「俺が突進を止めるからそこに〈アイスフィールド〉を展開してくれ!動きが遅くなったところをレアンは目玉でもどこでもいいから攻撃してくれ!」
(クソッ…一匹ならともかく複数相手じゃこの作戦はキツイ早くなんとかしなければ……)
すると、運良く一匹のウルフが突撃してきた。
「グッ…ミホ頼むぞ!!」
「ま…まかせて!!〈アイスフィールド〉」
「よし!レアンいけ!!」
レアンが風の魔法でスピードを上げながらウルフの首元へとナイフを突き出す。
ザクッ
ナイフで攻撃できたが硬い毛のせいで致命傷となる攻撃はできなかった。
「すまない…毛が硬すぎる……」
呆然とした表情を浮かべるレアン
それを見たミホも絶望の表情を浮かべる…。
「フォレストウルフってこんなに強いんだね…私達じゃAランクパーティーは厳しそうだね…」
ハハハと乾いた笑いを浮かべるミホ
「レアンここは俺に任せて早くミホを連れて逃げろ。お前の足なら逃げれるだろう。街まで行って応援を呼んでくれ!」
「ぐ…わかった。持ち堪えろよ…終わったら酒を奢る」
どうにもできない状況を理解したレアンは絶対助からないであろうクリスに向けて約束をする。
「楽しみにしてるぞ!」
覚悟を決めたクリスは爽やかな笑みを浮かべた。
「よし、こいや!!」
ミホを担いで逃げるレアンを見届けたあと自身を奮い立たせる為大きな声をあげる。
すると地面からフォレストウルフに首もとに黒い線なぞるようにが飛んでいきフォレストウルフの首がストンと落ちた。
「はい、私がファーストブラッド!」
「お主の魔法の距離長いから当然じゃろがい!!儂の遠距離魔法使うなって言ったのお主やし!!」
「だって、マオの魔王広範囲すぎて巻き込んじゃうじゃん。あとあぶないダサい名前の魔法しかないし」
「デス・フラワーはかっこいいじゃろがい!!」
ぎゃあぎゃあと揉めながら化け物みたいな魔力をまといながら現れた子供二人……俺は助かったのだろうか……
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ウルフを一匹狩ったところで呆然とこちらを見ている男がいる。
ははーん、私の魔法がかっこよかったんだな。
私の背中には8つのほど魔法陣が展開されており意味は特にない。かっこいいからである。
魔法陣から黒いレーザーを放出し地面を削りながら狙った相手に向かって攻撃するのである!
直接狙ってもいいのだがあまりにも地味だった為地面を削ることにした。
黒いレーザーなのはマオに影響を受けただけで闇属性とかではないただの色付きの魔力を高速高圧で射出しているだけである。
通称
やっぱ、魔法はロマンっしょ!!男ならわくわくするのも頷けるぞ!
残りのウルフに向かってレーザーを射出する私。
「残りもらっちゃうよーん」
とマオを煽る。
「たわけこっからは儂の番じゃ!!」
マオは広範囲の魔法か黒い花が咲く魔法しか打たないので普通に私が危ないので禁止した。
魔法を禁止にされたマオは身体強化の魔法を使い、拳に魔力をこれでもかと覆いぶん殴るようになった。
魔力が多ければ多いほど威力が上がるらしい。
ワンパンでウルフの首やら足やらが飛んでいく。
「ふう…私5匹!」
「ぐぬぬ…3匹じゃ……これはノーカンじゃ儂に分が悪かった!!!」
「フッ…負け惜しみを…これだから幼女は…」
そう言いながらファサッっと前髪をかきあげる。
「はーお主いつか殺す」
そんなに睨みつけても可愛いだけよマオちゃん。
「話しているところすまないが助けてくれて感謝する」
そうだった、男がいたんだった忘れてた。
「別に大丈夫だよ。そんなに強くないしこの犬」
手をひらひらしながら笑って答える。
「そ…そんなことはないぞ!フォレストウルフはAランクの魔物で…いや こんなに早く倒せるならそうだな」
苦笑いを浮かべる男
「ぜひ、お礼がしたいのだが街まで来てもらえないだろうか。仲間が街へ応援を呼びに行ったのでできればすぐ戻りたいのだ」
お礼かー常識あんまりわからんしこの人に教えてもらおうかな。
「いいですよー。そこの森で暮らしててあんまり人の暮らしを知らないから教えてもらうのがお礼でいいよ」
「捨てられた森で暮らしていたのか!!それならその強さも納得だな…」
うんうんと頷く男。いいから名前と常識を教えてくれ。
「私の名前はクリスだ。Bランクパーティー暁のリーダーでクリスだ。助けてくれて感謝するよ」
と手を差し出す。
「私の名前はエル。こっちはマオだよ。街までよろしくね」
とクリスと握手をした。
3話 異世界の冒険者と街
狩ったフォレストウルフから魔石やら肉を剥ぎ取ったあと死体を燃やそうと火の魔法を使う。
「ちょ…ちょっと待った!!毛皮や牙も燃やしてしまうのか!?」
慌てたクリスが騒ぐ。
「結構いっぱい持ってるからもういらないかなぁって。ここ一年ぐらい剥ぎ取ってないよね?」
「そうじゃの。マジックボックスもあるし最初はなにかに使えるかと思って適当に入れておいたが必要もなかったしのう」
うんうんと頷く私達。
「そんなに欲しそうな目をしないでも欲しいなら取っていいよ」
そんないい年してキラキラの目しないでもあげるよ!!
ありがとうといいながらクリスはそそくさマジックボックスにウルフを入れていく。
背中越しでも上機嫌なのがわかっておもろい。
「このウルフって高く売れるの?」
「そうだな。2年ほど前まではそんなに高く売れなかったのだが最近魔素が濃くなっている影響かは知らんが毛皮や牙が固くなって防具としての需要がでてきて高く売れるようになったのだ」
うんうんと顎に手を当てて頷くクリス。
じゃあ毛皮持ってるけど売れるのって半分ぐらいしかなさそうだなぁ…
回収が終わったようなので街へと繰り出す。
「こっから街って近いの?」
「そうだな、一番近いのがマフンという街なのだが1時間ぐらいかな。君たちはまだ幼いから1時間半程かもしれんな」
「思ったより遠いなぁ…」
「はは、これでもまだ捨てられた森にはすごく近い街だよ。あの森には危険な魔物が多いから近くに街なんて作りたくないだろうからね」
それもそうか。魔物が住んでる森の近くになんて街なんて作りたくないよな…
クリスからいろいろ聞いた結果。
2年ほど前から魔物が強くなり魔物を倒す速度が極端に落ち溢れた魔物が街の周りにでるようになったという。
今までは倒せた魔物でも倒せなくなったことが大きく命を落とす冒険者も多いらしい。
クリスのパーティーはパトロールも兼ねて街の周りを見回りしているところフォレストウルフの群れに襲われたところだったらしい。
間に合ってよかったな。
ぼちぼち話も落ち着いたところで喋らなかったマオがついに喋る。
「歩くの飽きたぞ」
喋ったと思ったらそれかよ。
「おい、そこの男肩車せい」
「えっ…まぁいいぞ…」
クリス優しいな……
よいしょといいながらがクリスの上に乗るマオ。
「ガハハくるしゅうないぞ!」
クリスの頭の上でふんぞり返るマオ。
ちょっとうらやましい……
「そんな目で見てもこの席は譲らんぞ」
ニヤっと笑うマオ。
「べ…別に羨ましくないし…」
「お嬢ちゃんもあとでするかい?」
クリスがニカッと笑いながら聞いてくる。
「別に興味ないですうう!」
なんだか照れくさくて断ってしまったがやってもらえばよかった…
マオがペチペチとクリスの頭を叩いていると街が見えてきた。
「あそこがマフンだ」
すると前から馬車が来て目の前で止まった。
「クリスあんたなにしてんの?」
魔法使いの帽子を被った控えめな胸の女性が低い声で呟く。
「このお嬢ちゃん達に助けてもらったんだ」
私の頭をぽんぽん叩きながら答えるクリス。
その答えで大丈夫か?…
「あんた私がどんなに必死でギルドで応援呼んだと思ってんの?」
額に青筋を立てながらにっこりと笑う魔法使い。
「す、すまない。あまりにもお嬢ちゃん達がほのぼのしてるから俺も感化されたようだ……」
怒っていることに気づいたクリスはそっとマオをおろした。
「助かってよかっt……おおおおおん」
急に泣き出す魔法使い。なだめるクリス。それを見守る複数の冒険者。立ち尽くす私達。
うーん、なんだこれは…。
なだめ終わったクリス達と一緒に街へ入る。
門番もいて身分証がないと入れないらしいが、クリス達のおかげですんなり入れた。
あとで冒険者ギルドか商業ギルドでカードを作ればいいらしい。んー助かる。
商業なんてするつもりもないので報告に行くクリス達と一緒にいくことになった。
「うーん、初めて街へ来たけど思ったより地味だな」
正直な感想を言う。
「んーそうじゃの。特に面白くないぞ。はよ、次の街へ行こう」
「まぁ、そうだね。ただ、美味しいお店も知ってるしお礼もしたいから今日はこの街へ泊まりなよ」
クリスが苦笑いをしながら答える。
「クリス、あんた早く私達を紹介してよ。助けてもらったんでしょ!」
「あ、そうだな。こいつら俺のパーティーメンバーだ」
「私はミホよ。魔法使いで氷属性が得意なの!」
ふふん、と無い胸を張るミホ。
「私はレアンだ。見ての通りエルフで弓と風魔法が得意だ。」
よろしくと少しお辞儀をするレアン。
「得意なものがある癖にあんなウルフにボロ負けとは片腹痛いわ」
カカカと笑うマオ。
ずーんと落ち込んだ3人…。
どうすんねん。この空気。
「私はエルで得意なものはー。うーん、ないかも。こっちはマオね。悪口が得意だよ」
ハハハと苦笑いをしながら気まずい雰囲気を払拭するのだった。できてないけど
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