第21話 ギフト

 ギフトを初めていただいた。

 

 タイムライン(ベルのマークのところに、時間順にお知らせがくるアレです)に『のり〇りのさんからギフトが届きました』という、かなりさりげない一行を見つけたときは、そりゃもう、びっくりした。


 ?と! のマークが、ぼぼぼぼっと頭の上に十個くらい出た。


 首を伸ばしてパソコン画面に顔を近づけ、確認する。


 もっと首を伸ばして顔を横にしてみて、さらに確かめる。


 ろくろっ首になって、右から左から、上から下から、首でパソコンまわりをぐるっと一周してまでも見てみるが、間違いない。


 油をなめるように、二つに分かれた舌でパソコン画面をペロリとなめてしまった。


 これはギフトだ、本物だ!


 おもに、異世界転移・転生したとき、神さまから特別にもらえるという……?


 すると、パソコンの後ろからテーブルの上に、小指ほどの小人がぞろぞろ出てきた。


 彼らはキャンプファイヤーと宴会の準備を始めた。


 小人のうち数人は、あまりぐるぐるしすぎて丸結まるむすびになってしまっていた私のろくろっ首をほどき、ヨイショヨイショと元の長さと位置に戻してくれた。


 キャンプファイヤーと宴会の準備ができた小人たちが、お祝いをしよう、おいでおいで、と手招きしている。


 うん、うん、行くよ、と頷いたら、みるみる体が縮んで、小人たちと同じ大きさになった。


 みんなで炎を囲んで、森の木陰でドンジャラホイ ♪ と楽しく踊る。

 (※卓を囲んだら、それはドラ〇もんの『ドンジャ〇』)


 酒と料理がふるまわれ、よかったねー、よかったねー、とみんなが言い。


 ありがとー、ありがとー、嬉しいよぅー、と私が答える。


 と、ここで目が覚めた。


 ええええええっ、これって夢オチですか? ギフトも全部、夢だったんですかぁぁぁ!?


 あわててパソコンを立ち上げ、確認する。


 あった! 夢オチじゃないギフト、ちゃんとありましたぁっ。


 ありがとうございます!


 そうだった。初めてギフトをもらって嬉しくて、土曜日だからって昼間っから祝い酒を飲んで寝てしまったのだ。



 初心者の皆さま。


 はじめてギフトはめっちゃ嬉しいです。


 ただ、いくら嬉しくても平日など、仕事中は酒を飲まないようにしましょう。


 寝てしまう危険性がありますw



 ろくろっ首にもなったし、異世界で小人とも踊ったし、これできっと書けるジャンルも増えるぞう! パォーンと、勝手な妄想竹もうそうちくを頭に生やしてしまっている私は、クセモノ! である。


 ん? なにこの小さな紙切れ。

 私への請求書?


 首ほどき代 五千円

 キャンプファイヤ―代 三万円

 宴会代 十五万円


 ちょ――――――――――コワイぃぃぃぃぃ!

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