第15話 いまさら聞けない

 皆さんは、いまさら聞けない、という経験をなさったことはないだろうか?


 私の、いまさら聞けない、はこうだ。


 自分のホームページで、まだ小説1、だったころ。


 乏しいPVの中で、こんな嬉しい言葉をかけてくださった読者さまがいた。


「『ギリシャ物語』面白かったです。


 続きが読みたいけど、続きの公開はまだですよね。


 とりあえず、HさまのSSとかはないのですか?」


 ええっ、私の、SS?


 SS、ってまさか。


 私のスクリーン・ショット(写真)が欲しいんですか?


 そんなに私の作品、気に入ってくださったんですか?


 著者近影、ってやつですかね!


 そんなぁ(デレ)、私の写真なんて、アップして、お見せできるようなもんじゃないですよぉ~。


 い……いやいや、おちけつ。


 ……おちつけ、そんなこと言ってくるはず、ないだろうがっ。


 この人の求めているSSとはなんだ?! 考えろ、考えるんだっ!


 私の頭は、ぐるぐる回りはじめた。


「シークレット・サービス」

「衝撃の・真実」

「しょーもない・シャレ」

「スポーツマン・湿布シップ

死角しかくにいる・刺客しかく

「死んでも・死にきれない」

「酸といったら・サ〇ポール」

「ステテコ・シャンシャン」


 だめだ、正解からどんどん遠ざかっている気がする。


 仕方Sがないので、正直Sに返事した。


「今、考えています」


 その読者さまは、それで納得してくださったようだった。


 私も、ほっとして、ぐったりして、寝た。


 web小説のことをよく知らなかったし、カクヨムさんの機能や、使い方にも慣れていなくて疲れていたのだ。


 それから何度か、別のかたがたが、SS、なる言葉を発しているのを見かけたが、忙しくて調べる気にならなかった。


 忙しくないときは、めんど草(クサ)を生やしてしまって、やっぱり調べなかった。


 いまさら聞けない。


 そして、つい先日のことである。


 某有名作家さまの近況ノートで、出たっ、SS!


 プレゼントしていただいた二次創作SS、とあったので、短絡的に私は、二次創作イコールSSだと思った。


 そうか、あの人は、私の二次創作を求めていたのか!


 某有名作家さまにお礼を言った。


「私はSSというのが、二次創作、だと初めて知りました。


 いまさら聞けない、事のひとつが解決しました。


 ありがとうございました」


 某有名作家さまは、(おそらく)微笑んで、おっしゃった。


「いえいえ、SSってのは今回は「ショートショート」もしくは「ショートストーリー」の略です!


 『二次創作のSSを書いていただいた』が正しい説明です」


 初心者の皆さま。


 カクヨム、では、いまさら聞けない、ことがあってもいずれ解決します。


 二重に勘違いして、頭がショートしそうに恥ずかしい気持ちになるかもしれませんが、大丈夫です。


 最後にわかれば、いいのです。きっとそうです。


 あの時、完全にデレて、自分のスクリーン・ショットをアップし、読者さまをびびらせないで良かったぁぁー、と胸をなでおろしている私は、クセモノ! である。

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