第13話 ねぇねぇ奥さん 2(ハートのつけ方)

カク 「それでねぇ奥さん、話の終わりに、応援ハート、ってあるじゃない」


ヨム 「あるわねぇ。ポチッとすると、赤くなって可愛いやつ」


カク 「あれもね、星ほど派手じゃないけど、地味じみぃにちゃーんとランキングに反映されるらしいわよ」


ヨム 「そうなんだー。作者さまの心を温めたり、モチベーションを上げるだけじゃないのね」


カク 「そうなのよ。だから応援したい作者さまには、忘れずにつけてあげるといいのよ」


ヨム 「そうね。つけ忘れのないようにしないとね」


カク 「つけ忘れたかな、と思ったら、戻って、つけたかどうか確認してあげると、親切よ」


ヨム 「うーん、そこまでするのは面倒めんどうかも」


カク 「面倒めんどう、という気持ちもわかるけど、物を書く、って孤独の作業だから、寂しくなる人、多いのよ」


ヨム 「そうなの?」


カク 「そうよぅ。ウサギは寂しくなったら死ぬ、なんて話があるけど、作者さまの中には、ウサギよりも寂しがりの人、いるらしいわ」


ヨム 「まあ」


カク 「ポチッとハートを押してあげれば、寂しくて耳のたれてたウサギも、また耳をピンとたてて、ねるようになるかもしれないじゃない」


ヨム 「そう考えると、ウサギ、元気にしてやりたいわね。わかったわ」


カク 「ところで、このエッセイ書いてる、H、だけどね、ハートのことで面白い話があるのよ」


ヨム 「えっ、なになに?」


カク 「H、の長編にね、ある日、ひとりの読専よみせんさまのハートが、ずらりと並んだのよ」


ヨム 「へーえ。珍しいけど、いいんじゃない?」


カク 「そう、いい事よ。朝から1日がかりで着々とハートが並んでいって、Hは、これはめっぽう熱心に読んでくださってる、と喜んだわけよ」


ヨム 「そりゃ、喜ぶでしょうね」


カク 「で、ついにその日の夜遅く、最初の話から最後の話まで、ハートが全部並んだの」


ヨム 「長編を1日読破で、全部の話にハート? かなりすごいわね」


カク 「それでね、Hは、嬉しくって、嬉しくって、これはきっと星評価が来るぞぉ、とワクワクして、その瞬間を見ようと深夜まで待ったわけよ」


ヨム 「まあ、期待するわよね」


カク 「ところがその読専よみせんさま、1日がかりで読んで、星をつけずにブックマークまで抜いて、あっさり去っていったのよー」


ヨム 「アハハハハハハハ! アハハハハハハハ!」


カク 「Hは、『124個もハートもらって、文句言える筋合いじゃないけど、どうしていつもよりがっかりした気分になるんだろう』ってひとごとして、すごすごと布団にもぐり込んで、まるまったらしいわ」


ヨム 「アハハハハハハハ! H、は相変わらず、甘ちゃんのおバカねえ」


カク 「そーなのよ、ホントに、お・バ・カ」


 ううっ、この奥さんたち、まぎれもなく、クセモノ! である。

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