第10話 カクヨムコン8結果のあと

 カクヨムコン8の最終結果発表が、5月30日にあった。


 受賞なさった皆さま、おめでとうございます!!


 で、私の作品は、3作品とも、見事に落ちた。


 何のひっかかりもない、つるんとした、全面ガラス張りの高層ビルのてっぺんから、ひょぉぉぉぉぉぉ! と、風切って、真っ逆さまに落ちるくらい、もう、見事に落ちた。


 まんじ型のような、無様ぶざまな恰好で落ちる最中、高層ビルの窓の中に、最新機器の並ぶピカピカのオフィスや、高価な絵のかかった部屋の柔らかそうなソファーや、空調のきいた居心地のいい会議室が、ちら、と見えた気がした。


 手を振るくらいは、いいよね。


 サヨナラ――、私には、えんのない場所デ――ス。


 ところで、他の作者さまの近況ノートを拝見させていただいて、知ったのだが、4月の段階で、編集さんから電話がかかってこなければ、それは落ちた、ということらしい。(短編賞に関しては、連絡は、もうちょっと遅かったそうです)


 そうか、1ヶ月くらいも前に、もう結果は出ていたのか。


 なら、今さら、そんなにへこむこともないか。(どういう理屈?)


 さて、それでも、少々へこみながら考えたのは、こんなしんどい、効率の悪い、目にも体にも悪い、あまり人に見てもらえない、無意味かもしれない作業を、どうしてさっさとやめられないのか、ということだった。


 自分のおバカをさらし、真っ逆さまに落ちるだけなのに、もう書くのやめよう! と、きっぱり見切りをつけられない理由だ。


 どうやらそれは、創造主さっかになって、うまく創作できた! と思った時の、達成感や高揚感や多幸感があるから、のようだ。 


 自分の中に、小宇宙ともいえる世界観があって、創造主さっかたる私が、試行錯誤を重ねて形をつくっていく。


 そこに住む者たちが、小宇宙の中で息づき、活動し、感情豊かになってくると、創造主さっかとして可愛く思い、嬉しくなるのだ。


 果ては、たとえ人気がなくても、自分の小宇宙に住む者たちの、身の振り方に責任感すらわいてくる。


 そして何より、読んでくださったかたから、コメント、♥ お★さま レビューをいただいて、自分の小宇宙に飾って眺めるときの、ウへへな喜びは、格別かくべつだ。


 ふーん。


 こうやって書き連ねてみると、やめられない理由、そこそこあるなあ。


 初心者の皆さま、いっぺん創造主さっかやると、わりとやみつき、になるようです。


 ただ、そのせいで、へこむこともあるかもしれません。


 うまく創作世界ができなかったり、コンテストで真っ逆さまに落ちた時は、とくにへこみます。


 それでも、簡単にはやめられない魅力が、創造主さっかにはあるようです。


 いつか試合で、創造主サッカーでシュートを決めてみたいものだ、と夢想しながら、スポーツドリンクだけ飲んで、運動しっぴつした気、になっている私は、クセモノ! である。 

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