第14話
私は、目を覚ましたらベットの上だった。どうやら気絶したらしい。
「お目覚めですか?」
「あぁ。どのくらい寝てた?」
「2日ですよ。」
意外と寝ていたみたいだ。
「寝起きで申し訳ありませんが、あの時何が起きたのですか?私にはエネルギーの増幅とものすごい量の魔力が私たちと地龍の卵に向かっていくのが分かっただけです。」
「あれは。」
私は、あの魔法と言うべきなのだろうか。一つの装置と考えるべきだろうか。
それについて説明した。
「あれは、簡単に言うと一種の魔力発生装置だ。」
「そんな感じはしましたが。どう言う原理なのでしょうか?」
「そうだね。まず、粒子を生成するんだ。そしてそれを光速に近いレベルに加速するそしてそれを衝突させる。そうすると極小規模でブラックホールが生成される。そしてそのマイクロブラックホールは一瞬で蒸発する。その時に、ホーキング放射によってエネルギーが放出されるそれを魔力に変換する魔法で変換するという言葉で言うと簡単なものだよ。」
アイナには呆れられた。やはり、口で説明するだけでは理解するには難しいようだ。
「では、私は部屋に戻りますね。それと、明日、冒険者組合に報告しますね。」
「あぁ。そうしてもらえると助かる。そういえば、あの地龍はどうなった?」
「それなら孵化してすぐにメラルさんが自分の国に持ち帰って行きました。」
どうやら龍族のことは龍族で処理するようだ。そのほうがいい。他種族が関わると碌なことが起きない。
「では、今日はゆっくりと寝てください。」
「そうさせてもらうよ。」
私は、あの時感じた不思議なことについて考えることにした。
あれはなんだったんだ。ホーキング放射の時だ。あの加速された粒子の中に不思議な感覚があった。それはとても心地が良く自分の思い通りに動いてくれる気がした。そしてそれがなんなのか分からない。ただ、その振る舞いは魔力に近いが魔力とは違うものだ。
正直分からないが、もう一度確認するしかない。しかし、もう一度できる気はしない。もっと実験してみないと分からないな。
翌日に私たちは、報告した。これから魔物が多くなるから注意すべきだと言うことも報告しておいた。
「ありがとうございました。未然に防ぐことができて感謝しております。」
うん。いいことをしたものだ。
依頼料を受け取り、組合の建物を後にした。
「アイナ。そろそろ、この出立しようと思うんだ。」
「そうですね。では、今日はこの街を目一杯楽しみましょう!」
気づいていたようだ。この娘は付いてくる気満々だな。まぁいいや、それも旅だな。
境界にて
「やはり面白いわ。」
部屋には1人の女性が窓辺の席でお茶を嗜んでいた。
その女性は月を見て冷たく笑っているように見えた。
「彼はとても面白いわ。早く来ないかしら。」
その目には彼しか映っていなかった。
この先彼女との出会いが運命の分岐とも取れるのではと後世の学者がいた。それもそのはずだ。なぜなら、彼女は。
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