第4話 到着
温泉街を出て龍皇学園に向かい1週間ほどで着いた。
龍皇国の皇都ドラベルトの学芸区の中央にその壮大なる校舎は存在する。
さらにここに通うのは将来国に奉仕する人材を育成する機関であるために警備が厳重である。
そんなこんなで、今地下牢にいます。助けてください。本当にマジで。だって今まで冒険者のライセンスで何とかなっていたのに。まさか、さらに国民証が必要になるとは。発行するのに身分証明してくれる人が必要なんて。それも今ルナ姉さんが、出張中でいないというおまけ付き。
2日後、やっとルナ姉さんがやってきた。出してもらい国民証も冒険者のライセンスに追加してもらった。
「アルト君。遅かったじゃないの。なんかしていたの?」
「途中に温泉宿があったからそこで1週間くらいいたよ。まさか、お湯に魔力が宿っているとは思いもよらなかった。気持ち良すぎて長く居過ぎてしまったよ。」
「君らしい。それで君に話した子なのだが。今いなくてね。少し待ってもらいたい。」
「そうなのか。」
「部屋を用意するからそこで過ごして欲しい。」
「ん。分かった。」
私は、龍皇学園の近くにあるルナ姉さんの邸宅に案内された。
「この部屋を使って。」
案内された部屋は貴族が住んでいそうな豪華な部屋だった。
「ルナ姉さんこの家どうしたの?」
「ローレンス家の方は覚えている?」
よく里に来ていた龍族の重鎮だ。龍皇國の使者として来ていてくれた。
ローレンス家は皇族の血筋にある分家の中でも一番地位が高い。
貴族位は持ってはいないが、実力、脳力、発言力は高い。
どうやらローレンス家から貰った家だそうだ。
エルフは龍族に自治する権利の代わりにエルフは知識を与えることをしてきた。
エルフは人を支配するには長すぎる寿命だ。さらに、変化を嫌う。平穏を求め、悠久の時を生き永らえその生を全うする。
なので基本的に自治権を得て里を存続させていたりする。
私たちは、龍族と共に生きてきた。なので私たちの里のエルフには幾ばくか龍の血が流れている。
「明日は学園の人に紹介したいから学園に行きましょ。」
ルナ姉さんはそう伝えると部屋を出ていった。
翌日、私は1人で学園に来ていた。なぜなら単純に寝坊して置いていかれたからだ。
元々、朝に弱いというのもあるが、エルフは怠け癖があるというものもある。(自己評価ではあるが)
学園に来たのはいいが、どうやら部外者と思われたらしく、学園の防衛能力が働いてしまった。非常に面倒臭い。
込められている魔力はこの周辺の魔力と一致しているので、設置型の魔法陣によってそこから魔力を供給されているゴレムだと思うが。
このデカさはこの周辺を一掃できるレベルのものだ。
こういう常識ハズレをしでかすのはルナ姉さんだなと感心しているところに横槍で教師と思われる人物が魔法を使っているのを見逃さなかった。
にしても、詠唱が長いのであまり良くはないが(無詠唱ぐらいはして欲しい)、使っているのは、加速魔法系統の魔法なのは相手を倒すという点では正しい。
及第点てところだろう。
とりあえず、ゴレムをなんとかしよう。精霊が魔法陣の場所は教えてくれたが、私と同意見でよかった。魔法陣の一部を削ればその魔法陣は意味をなさないので、そこに強い魔力を放てば壊せる。
問題は教師と思われる人物だ。困ったあまりにも弱すぎる。パッと見た感じ、正直外にいる魔物にすぐやられるのではと思うぐらいの人だ。
ということで、眠らせるか。うん、それがいい。
というわけで、精霊に眠らせてもらおう。面倒だ。というわけで、お願いします。
私は、ゴレムをなんとかしよう。
人型で魔法陣の位置は胸の中という一番深い場所にある。
ここは、加速魔法で周りの空気を集めて穿とう。それがいい。
ただ、精霊がめちゃくちゃ頑張ろうとしている。困るが、まぁいいや。姉さんに任せた。
「穿て!」
うん、単純で素晴らしい。ただ問題は、抉りすぎた。溝ができてしまった。もちろんゴレムは消滅したが。精霊さんは自重を覚えた方がいい。
寝ている人は、木に寄りかからせて私は見なかったことにして姉さんを探しに行った。
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